楽天証券の米国ETF購入手数料を再度手計算するチャレンジ

動画解説(メカブ投資channel)

楽天証券での米国ETF購入手数料を手計算で再現する挑戦を過去記事で行いましたが、為替の箇所がどうしてもわからず差が発生していました。

本記事では手数料詳細よりも為替レートの考え方に焦点を当てていますので、手数料率の再現を含む過去記事を未読の場合は、下記リンクからご一読ください。

個人の取引なので額はたかが知れていますが、気持ちがモヤモヤしており、先日買付したQQQを題材に手計算チャレンジを再度してみます。

スポンサーリンク

約定後の情報1:PC画面で確認

約定後の情報は、PCで楽天証券にログイン後、「米国株式取引(注文照会・訂正・取消)」の「注文詳細画面」にあるものを見ます。

楽天証券 PCでのログイン後画面(2020年9月11日時点)

ここで見る情報は次の通りです。

  • 数量:2株
  • 単価:271ドル
  • 受渡代金:57,865円
  • 為替レート:106.24円
  • 手数料:283円

上記の情報を使って受渡代金を計算するとピタリと合います。

  1. QQQの価格を日本円にする:2株 X 271ドル X 106.24円 =57,582円
  2. 国内取次手数料を加え受渡代金を算出:57,582円 + 283円 = 57,865円
スポンサーリンク

約定後の情報2:外国証券・外国証書取引報告書

数日すると外国証券・外国証書取引報告書が発行されます。この文書も電子的に閲覧可能です。この報告書にたどり着くには、PCでは楽天証券にログイン後、トップ画面の「保有商品一覧」をクリック後、「取引報告書等(電子書面)」から閲覧可能です。また、このほかにも辿り着くルートが複数あります。

「取引報告書等(電子書面)」の画面に切り替わると、直近の取引であれば、下へスクロールすると閲覧したい取引が見つかるはずです。

デフォルトは直近20件の取引が表示されますので、それよりも過去のものであれば、条件の絞り込みで見つけられます。

注:スクリーンショットはQQQではない。画面は2020年11月29日のリニューアル前であるが、基本は同じ。

「閲覧する」のボタンをクリックして表示されるPDFの報告書を確認すると、上記「約定後の情報1」でみられる情報と同じものが掲載されています。

敢えて新たな情報を探してみると、手数料が消費税と本体価格に分割されていることで、手数料は258円、消費税は25円でした。

再現に挑戦

為替が再現を難しくしている

注文照会画面や外国証券・外国証書取引報告書の情報を用いて行った検算では差がありません。となると、やはり為替レートの謎を解くことが必要です。

楽天証券の「よくあるご質問」

為替ルールをもう少し調べます。

楽天証券にあるFAQページ「よくあるご質問」で米国株を購入した際の為替について調べると、該当しそうな回答が二つあります。

「約定為替レートはいつのレートですか?」という問いに対して、

米国株式の国内約定日の10時の適用為替レートです。
買付はTTS、売却はTTBのレートを適用いたします。

楽天証券「よくあるご質問」

と書かれています。

レートは適用為替レートではないのか?と思い、別のQ&Aを探すと、「米国株式を円貨決済で買付した場合、いつの為替レートが適用されますか?」という問いを見つけました。その回答は、

米国株式の国内約定日の10時の適用為替レートで決定します。
10時の適用為替レートは、9時50分以降に弊社が順次定めるレートとなります。

※日本が祝日の日に取引をした場合は、翌営業日の10時の適用為替レートが適用されます。

適用為替レートが決定するまでは、掛け目5%を上乗せした金額を受渡金額として拘束しております。
実際の受渡金額による画面反映は、適用為替レート決定日の午前10時30分頃より反映しますのでご留意ください。

楽天証券「よくあるご質問」

といったものでした。このあと、もう少し調べた個人的な解釈は、

約定した日の午前10時の適用為替レートに、ドル転手数料(一ドルあたり25銭)を加算した額が、注文照会や外国証券・外国証書取引報告書で見るレートになる

というもので、計算してみます。

為替レート再現

必要な数値は以下の通り。

  • 約定日が日本時間で2020年9月9日なので、同日午前10時の適用為替レート
    • 105.94円/ドル
  • QQQの約定情報
    • 2株
    • 271ドル

さて、計算します。

  1. QQQの約定価格が米ドルで542ドル
  2. 542ドル分の日本円を算出すると、57,419円(小数点以下第一位を切り捨て)
  3. 542ドル分のドル転手数料を算出。542 X 0.25 X 1.1(手数料の消費税) = 149円(小数点以下第一位を切り捨て)
  4. QQQの価格である57,419円とドル転手数料149円を合算。57,568円
  5. 57,568円を542ドルで乗じる。57,568 ÷ 542 = 106.21円

かなり近くなりましたが、3銭誤差が残ります。

完全に再現は出来なかったが、気にしないことにした

もう少し推理してみると、恐らくこの差は、上記に引用した二つ目の「よくあるご質問」にある「10時の適用為替レートは、9時50分以降に弊社が順次定めるレートとなります。」が肝なのではないでしょうか。

つまり、外国為替メニュー内に表示されるレートは10時のものですが、実は画面に表示されていない9:50以降の10分間にあるレートが適用されている、ということです。

楽天証券からグラフを拝借します。折れ線を見て分かるように、9月9日10時のレートは一ドル105.94円ですが、それよりも前の時間帯は円安でした。

楽天証券

この10分間のどこかで発生した105.97円前後のレートが反映されているため、今回のQQQの取引でレートが106.24円となったというのが個人的にたどり着いた結論です。

となると、手数料の再現は刻々と変化する為替情報を手動で精緻に拾うこともできず、困難であると納得することができ、これ以上の深追いはせずに気にしないことにします。

おまけ

楽天証券の米国株式買付手数料の概要を他の説明も含め、動画にまとめています。ぜひご覧ください。