楽天証券の米国ETF購入手数料を計算する

投資

証券会社の株式取引手数料はかつてと比べると驚くくらい安くなっています。日本国内の株式取引だけではなく、米国株式も同様です。

ネット証券と呼ばれる証券会社の競争を見ながら、ネット証券のひとつである楽天証券で米国ETFを購入した場合の手数料を例にして費用がどの程度必要なのかを確認します。

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2019年後半は手数料引き下げ、そして無料化の方向へ

2019年7月、マネックス証券が元々予定していた米国株最低取引手数料を10セントから1セントへ引き下げるのを、無料に変更したことを皮切りに楽天証券が追従。SBI証券も最低手数料撤廃を発表しました。

結果、三社とも最低取引手数料が無料となりました。最低手数料が適用されるのは約定代金が2.02~2.22ドル(会社により異なる)の取引です。

取引手数料は約定代金の0.45%(税抜き)で上限の手数料は20ドル(税抜き)で三社とも同条件です。(2020年8月10日時点での確認結果)

そして2019年12月には、再び三社が米国ETF9銘柄の手数料無料化を発表。2020年1月から対象ETF購入時に適用となりました。

手数料無料化の競争はこれだけにとどまらず、SBIホールディングスは2019年10月にSBI証券が三年を目安に現物株式を含むインターネット取引の完全無料化を目指していくと宣言。

楽天証券も2020年1月11日に行われた「新春講演会2020」で手数料無料化を楠社長が発表しました。 米国ではすでにRobinhoodという新興の証券会社が手数料無料で参入し、この影響で大手の再編が行われるだけではなく、「Robinhood Investors」という単語まで生んでいます。

日本も米国の後を追い、手数料競争の波に呑まれる格好となっています。

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楽天証券の米国株式手数料概略

楽天証券での米国ETF購入取引を例として、手数料計算再現にチャレンジしてみます。

が、その前に楽天証券の米国株取引の基礎情報は、楽天証券のサイトに掲載されています。概略は次の通りです。

一取引が2.22ドル以下の場合は手数料無料(日本円からドル転した場合は、為替手数料はかかる)です、例えば、2020年11月1日時点では、糖尿病薬の会社である、MannKind Corporation(MNKD)は2.01ドルなので、一株だけ購入すれば、手数料はかかりません。

2.22ドル超、4,444.45ドル未満の取引は約定代金の0.495%(税込)となります。10万円分の取引を円貨決済で行うと495円となります。

「自分はもっとデカい取引をするんだ!」という人には、4,444.45ドル以上の取引で、手数料は22ドルで固定されるのは朗報です。

HDVで再現チャレンジ

上述の「ETF手数料無料化」といっても、対象は一部銘柄であるためHDVの取引には手数料が必要です。また、今回のHDV購入では日本円で決済しているため、米ドルへの為替手数料も含まれます。

外国証券・外国証書取引報告書を見る

取引内容確認のため、外国証券・外国証書取引報告書を見ます。この報告書はPCで楽天証券にログインした後、トップ画面で「保有商品一覧」をクリックして上部のナビゲーションに表示されてる「取引報告書等(電子書面)」で見ることができます。また、この行き方以外にもいくつかあります。

HDV買付の外国証券・外国証書取引報告書には以下のように書かれていました。

  • 約定単価:97.75ドル
  • 約定株数:9株
  • 売買金額:879.75ドル
  • 為替レート:1ドル=110.51円
  • 国内取次手数料:479円(手数料436円 + 税43円)
  • 支払金額:97,700円

上記の数字で計算をすると、支払金額は一致します。

  1. HDVの購入価格を日本円にする:97.75ドル X 9株 X 110.51円 = 97,221円
  2. 国内取次手数料を加える:97,221円 + 479円 = 97,700円

記載されている数値では辻褄が合うので、これで話はおしまいなのですが、売買手数料と為替がどのように決まっているのかを見ていきます。

再現1:売買手数料

米ドルでの約定代金は、879.75ドル。日本円にすると97,221円。97,700円との差額は479円で、これが売買手数料です。

取引手数料は約定代金の0.45%で、税込みでは0.495%です。日本円から単純に掛け算すると481円になってしまうので、2円ほど低くなるのが不思議でした。しかし、米ドルを基準に改めて計算すると、下記の計算式でほぼ一致しました。

米ドルでの売買金額 X 取引日の為替レート X 取引手数料率

879.75 X 109.93 X 0.495% = 478.719 → 小数点以下第一位を四捨五入で479円

上記で「ほぼ一致」と書いたのは、小数点以下第一位は切り捨ての代わりに四捨五入を採用すると一致します。

再現2:為替手数料

楽天証券は銀行などが発表するTTS/TTBレートとは異なり、適用為替レートと呼ばれるものが適用されると説明しています。

この適用為替レートは外国証券・外国証書取引報告書に記載されていませんが、少し調べていくと楽天証券の場合、米国株式の国内約定日の午前10時の適用為替レートを使用するらしいです。

そのため、上記の式で書いている当日のレートである109.93円と外国証券・外国証書取引報告書に記載の110.51円との差については分からないままです。

補足ですが、楽天証券では約定時点で一旦、資金拘束をします。

その際、為替レートに対して1.05倍の額を拘束し、改めて計算して支払い額が確定という流れになります。結果として約定時の情報と外国証券・外国証書取引報告書では差が発生すると説明がなされています。

しかしながら、約定時の為替を記録していなかったため、110.51円となっていることだけしかわからず、結果として再現は出来ていません。

今回は再現は出来ず、改めて挑戦

売買手数料についてなんとなく理解はできたのですが、為替の謎と手計算での再現ができていないため、将来取引をした際に記録を忘れずにつけて再現に挑戦したいと思います。

(2020年9月11日追記)ということで、このモヤモヤをなくしたいと手計算チャレンジを再びしてみましたので、下記記事をご覧ください。

「手数料負け」になるかもしれない

約十万円の株式取引に対し、手数料は1,000円に届きません。

個人的には、海外の株取引で手数料がこの水準に収まっているというのは「いい時代になった」という感想しか持てません。

他のブログなどで触れられている米国株投資につきものの「手数料負け」はあると思いますが、米国株の値上がり方はそれを打ち消すだけのものはあると思える上に、長期投資であればそれほど気にしなくてもよいと考えています。

ドル転のための為替手数料についても、円高になれば一部余力をドルにして保有しておいたり、適宜為替レートを見て円高の時は円貨決済をするといった方法で取引をしていこうと考えています。

国内株式取引手数料は「超割コース」~ポイントで軽減させたい

手数料負けを軽減させるための抵抗として、楽天証券の国内株式取引手数料を「超割コース」にしています。

楽天証券の国内株式取引手数料には「超割コース」と「いちにち定額コース」の二つがあります。

なぜ「国内株式取引手数料」が関係あるのか、と不思議に思うかもしれませんが、「超割コース」を選択した場合、ポイントを獲得することができます。

実は、国内株式の取引が一日に50万円以内で納まることが多い場合は、「いちにち定額コース」の方が得になります。

日本の株式取引を殆どしない現在、「超割コース」にすれば、取引額に応じて僅かながらポイントを獲得することができますので、無駄な抵抗ですが、手数料負けの傷を軽減させようとしています。

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