Power BIでキャシー・ウッドが選ぶ銘柄を探す

Power BI

先々月の記事で、Power BIを投資に活用したいと書きました。

あれから一ヶ月半。

当初目的のSPYDの銘柄を調べるというのだけでは勿体ないので、利用シーンを模索していました。

そこで、ARK InvestのETFで組入れられている銘柄を追いかけ、キャシー・ウッドがどんな銘柄を購入、売却をしているかを観察してみます。

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データの入手

分析をするには元になるデータが必要なので入手します。

まずは、ARK InvestのETFサイトに行きます。

画像引用:https://ark-funds.com/ (2021年4月11日時点)

ARKK、ARKQなどのETF名称があるので、リンクをクリック。

ここでは、ARKKのページに移動します。

画像引用:https://ark-funds.com/arkk(2021年4月11日時点)

画面を下にスクロールして、左側の「Fund Documents」内、「Fund Holdings CSV」(橙枠)をクリックしてCSVファイルをダウンロード。

画像引用:https://ark-funds.com/arkk(2021年4月11日時点、橙枠は筆者追加)

「ARK_INNOVATION_ETF_ARKK_HOLDINGS.csv」というファイルがダウンロードできれば成功です。

そして、これを毎日行います。

注意点。CSVファイルは営業日は更新されていますが、ファイル名は常に同じです。うっかり上書き保存すると過去のファイルを失う事態に陥ります。保存時はファイル名の工夫や、その処理をバッチで行うなど自動化できるところは自動化した方がミスは減らせるでしょう。

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Power BIでデータを見える化

現在、ARKのETFは六種類あり、一週間で三十のCSVファイルが蓄積されていきます。

一ヶ月で百を超えるCSVファイルを手で集計するのは面倒以前に、どう扱ってよいか呆然としてしまいます。

イラスト:いらすとや

そこで、救世主であるPower BIの登場です。

どのように画面作成するかを掲載するとPower BIのチュートリアルになってしまうため、作成手順は省略。まずは、下記のようなグラフを作成するところまで到達したので紹介します。

三月から先週末までの各ETFが保有している株数推移と評価額推移です。

ARK Investのデータを基に筆者作成

それぞれのETFの株数と評価額に大きな差があるので、線の動きは分かりにくいかもしれませんが、ARKKは大きなETFで、始まったばかりのARKXはこれからの商品だと雰囲気は掴めます

気になる銘柄

これらのデータをどの様に使うかというと、個別銘柄の保有情報が日次で蓄積されているので、キャシー・ウッド氏がどんな銘柄を買い増しているのか、もしくは売却しているかを確認することができます。

当然の事ながら、データは翌営業日に公開となるため遅れた情報になることは否定できません。それでも巷で話題になるよりも早く動きを知ることは出来ます。

以下に掲載する銘柄は既に話題になっているので、「何を今更」と思われるでしょう。が、今回は使用例の紹介なのでそこは悪しからず。

Palantir Technologies (PLTR)

最近Redditでも話題になった会社。同社は米国の諜報機関向けのシステムを開発しています。

Yahoo! Finance(PLTR概要)

今年に入って一時38ドル近くまで上がった株価は24ドルまで下がっています。

中々奮わない株価において、ARK Innovation ETF (ARKK) は保有株数を増やしています。4月9日時点で1,400万株。3月1日は780万株だったので、倍近くにまで増やしています。

一方で、ARK Next Generation Internet ETF (ARKW)における保有数の変化は小幅です。

PLTR保有株数推移

Vuzix (VUZI)

VuzixはAR機能を有したスマートグラスの開発、製造、販売を行っています。

Yahoo! Finance(VUZI概要)

今年一月には8ドル程度だった株価は30ドル近くになっています。

ARK Autonomous Technology & Robotics ETF (ARKQ)にVuzix株は組み入れられていて、3月1日には100万株だったものが、三度の大きな買付けにより4月9日には200万株となっています。

VUZI株価推移

データが見えると面白い

Power BIのチュートリアルを見ると、法人向けを意識しているためか、店舗ごとの売上などを見るような例が多いのですが、もちろん投資にも応用可能です。

ETFの投資状況を確認するというシンプルなものですが、人間が手で扱うには困難な量であるため、テクノロジーの力を借りれば省力化できます。

何よりも、数字が直感的なグラフとして描かれるのは非常に助かるし、見ていて面白いです。