前回の記事で定期買付を再検討していることに触れました。
再検討の対象はSPYDとHDVです。ETFのみという偏った保有構成をどのようにするかを決め兼ねているものの、一旦考えを整理してみようと思います。
何故定期買付をするのか、定期買付の目的は?
定期買付を何故しているのかと、その銘柄選択のための条件を振り返ります。
将来の備えとして、つみたてNISAで投資信託の積立をしているものの、投資信託の積立だけでは不十分と思うものを定期的な買付という形で行っています。その不十分なものとは何でしょう。
投資信託で賄えない点をETFで
不十分なものとは、投資信託では賄えない投資対象であることです。
投資信託の良い点は、小額から定期的な積立を自動で行うことができることです。この良い点を数多の投資対象に適用できれば言うことはありません。
また同時に、定期的な収入となる配当金を受け取りたいという希望もあります。
投資信託でも分配金を受け取り可能な商品は存在しますが、そのような商品は信託報酬が高く、タコが自分の足を食べるように無理に分配金を捻出することもあります。
インデックス投信信託のような商品性を有し、かつ配当金があるものを探すと、SPYDやHDVといったETFの方が目的に適います。
値動きが激しくない銘柄を買い付けたい
もう一つの条件は値動きが激しくないことです。
例えば、八月の一か月だけで40%以上も上昇するようなテスラ株は、常にこういった動きがあるわけではありませんが、何かのニュースにより激しく動く銘柄です。このような銘柄は個人的に定期買付に向いてないと考えています。
「値動きなんか関係ねー」「自分は欲しい銘柄を買い続けるんだ」という考えを否定するわけではなく、むしろ「時間をかけて分散するから問題ない」という考えも同意できます。しかしながら、自分の性格も加味して検討すると、価格変化が緩やかな米国ETFが向いています。
また配当金を出す銘柄は、成長しきっていて株価が頻繁に大きく変動をすることは少なく、そのような銘柄を集めたETFは落ち着いた値動きになりそうです。
例えばSPYDは、新型コロナウイルスで2020年の年初来からのパフォーマンスは約-27%と暴落していて値動きが激しいように見えます。しかし、2015年10月の設定からみると+3%となり、実は比較的安定しています。逆に言うと、大きなキャピタルゲインを期待する銘柄ではなさそうです。
もう一つの投資先であるHDVは2011年3月の設定時点で56ドルで、現在は85ドルとなっています。雑に計算すると年平均で4%弱の上昇です。
実際に配当金はどれくらい出ているのか?
新型コロナウイルスでSPYDもHDVも株価は年初の水準に戻っていません。また配当金も減少傾向にあります。2020年の年初からのSPYDの配当金変化はこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
米国Yahoo! Financeで2020年8月28日時点の年換算の配当利回りを調べてみると、SPDYとHDVは以下の通りでした。
- SPYD:6.12%
- HDV:4.23%
利回りは株価と共に変わっていくことは頭の隅においてください。これら配当利回りは現時点での目安です。
数値だけ見ると、良い数値ではないかと思えてきます。
外国人の個人投資家の意見をYouTubeなどで見ていると、3%程度の配当金が出ていれば悪くないという認識がある様子です。
実際に日本の高配当株と言われている銘柄と比較してもSPYDの利率を上回っている銘柄は、JT(2914)、あおぞら銀行(8304)、日本郵政(6178)のみで、6%というのは良いと思います。
もう一つの注意点として、配当利回りだけを見ると状況を正確に把握できなくなるので、配当金額は必ず確認しましょう。
成長か配当か
不労所得となる配当金が好きなのは日本人も米国人も変わりありません。しかし、米国人を含め海外の個人投資家の話を見聞きしていると、日本人とは考え方が異なることが分かり、これがまた今回の再検討を悩ませています。
ただ、日本人と考え方が異なるといっても突飛なことはありません。
あくまでも印象ですが、積立を活用して可能な限り手間を削減しつつ、そこそこのリターンを狙う日本人と比較するとアグレッシブだということです。
これには、米国市場の株がリターンを狙いやすい環境にあることも要因であると思います。
そのような環境下では主に二つの考え方があるでしょう。
1. 成長株への投資
一つ目は成長株への投資です。
海外の個人投資家には、3~4%の配当利回り受け取っていても大きなリターンを得ることは出来ないと考えている人がいます。
そのような人たちは、成長株を買い続けキャピタルゲインから少しずつ切り崩すことを考えています。
年間3~4%程度の配当金よりも、例えば年間で10%成長し続ける企業に投資して、そこで増えた資産を配当金のように切り崩して使っていく。
AppleやAmazonのような成長企業もありますが、企業が永続的に成長し続けることはないので、この手法は投資家も常に研究することを求められます。
当然の事ながら予想が外れることもあるかもしれません。そのため、自分で取ることができるリスクとの兼ね合いで投資対象を考えます。しかし、この方法は年齢が若い人であれば時間がリスク軽減を助けるため、やりやすいでしょう。
2. 配当株への投資
配当株への投資を中心に行っている人もいます。
私が見聞きした情報が偏っていることもあり、海外の個人投資家にも人気があるETFはVYMやSPHDくらいです。ちなみに、SPHDはSBI証券、マネックス証券、楽天証券ともに取扱いはありません。
どちらかというと配当株は個別銘柄を挙げる人が多く、有名企業であれば、AT&T(T)、3M(MMM)、P&G(PG)など。逆に日本人に馴染みのない企業には、AbbVie(ABBV)やNextEra Energy(NEE)といった銘柄があります。
個人的にはNextEra Energyは株価も高額で、配当利回りは2%程度で利率は低いところが疑問に思ったのですが、米国はクリーンエネルギーに熱い視線が向けられているため、こういった銘柄も挙げられるのではないかと考えています。
個別銘柄でも永続的に配当金が支払われる訳ではなく、何かの理由で状況が変わることがあり得るので企業研究から逃れることは出来ません。
放置と研究
散らかった話を戻すために、一旦まとめます。
- SPYD、HDVを積み立てている理由
- 配当が受け取れる
- 運用会社がポートフォリオを見直してくれる
- 値動きが激しくない
- SPYD、HDVの状況
- 長期で見ればパフォーマンスは悪くない
- 配当利率も悪くはない
ただし、ETF特有のリスクを避けるために集中投資は控えたい、大きなリターンを得ようと思えば、常に研究は必要。
となると、個別銘柄にも軸足を置き、成長重視、成長と配当のミックス、もしくは配当重視とするかを決めて、企業研究をしていくというやり方はしておいた方が良い気がします。
考えを書き連ねてみました。冒頭で触れた通り結論はまだ出ていません。ただ、今後しばらくは過去と異なる買い方をする可能性はあります。