MAXIS米国株式(S&P500)上場投信とVOOのパフォーマンスを比較:3rd Round

S&P500

2020年6月6日と、その三ヶ月後に、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信とVOOのパフォーマンスを比較した記事を書いています。

最初の記事の初稿から三年が過ぎ、為替や株式市場の状況も大きく変わっています。2020年1月に両ETFに投資した場合、どのような評価額になっているのでしょうか。

スポンサーリンク

2558 vs. VOO 第三ラウンド

MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(以下、2558)とVanguard S&P 500 ETF (以下、VOO)の比較、第三ラウンドです。

イラスト:Loose Drawing
スポンサーリンク

価格推移

まずは、2558とVOOの価格推移を見ます。

単純比較

グラフ作成に際して、前提は以下の通りです。

  • 比較期間:2020年1月10日~2023年7月14日
  • グラフ表記:2020年1月10日の2558とVOOの終値を「1」として、取引日の終値を指数化
  • 注意点:折れ線グラフで途切れている箇所
    • 日本と米国での休場日
    • データ取得不可の欠損あり

VOOとS&P500は重なる線を描き、2558は乖離があることが確認できます。しかしながら、2021年11月頃から2558はVOOとS&500の相似形でありながらも、上を向いた角度となっていきます。

為替ヘッジなしの影響

2558はインデックス型のETFなのに、VOO、ましてやS&P500と大きく乖離しています。何故か?

目論見書を見ると「為替ヘッジを行わないため、為替相場の変動による影響を受けます。」と記載があります。

為替ヘッジがないのであれば、為替の影響を受けているはず。そこで、上部のグラフに米ドル/日本円の推移を重ね合わせてみました。

2558がVOOやS&P500と乖離している理由に合点がいくと思います。為替の推移(赤茶線)を見ると、円高に振れている時は、2558はVOOを下回り、円安になるとVOOを上回っていきます。

為替ヘッジがない商品の場合、円安時の購入→円高となった時の事を心配をしてしまいがちです。しかし円高時に買って、円安となった場合は逆転現象が発生することが分かります。

VOOを日本円換算してみる

もうひとつ検証。VOOの評価額を日本円換算してグラフを作るとどうなるか。

2558と日本円換算したVOOの折れ線グラフが重なります。為替ヘッジが可視化されました。

試算

価格推移を確認したところで、試算をしていきます。分配金は未試算で、譲渡益のみの試算となります。

前提

これまでと同様、2558が上場した直後の2020年1月10日に2558とVOOを購入、2023年7月14日に全購入数量を売却した場合の試算です。試算前提以下の通りです。

ETF購入株数(10万円相当)購入価格(寄付)売却価格(寄付)
25589株10,300円17,875円
VOO3株300.74ドル413.94ドル
  • VOO取引時の為替レートは、2020年1月10日と2023年7月14日のYahoo! Finance掲載のレートを使用(実際の取引レートと異なる)
    • 2020年1月10日:109.56円/ドル
    • 2023年7月14日:138.08円/ドル
  • 売買手数料・為替手数料は楽天証券で購入したとする
    • 米国株は特定のETFの買付手数料無料、売却時は0.495%(税込み)が発生
    • 日本株は「いちにち定額コース」を利用と想定し無料
    • 日本円とドルの為替手数料は25銭/ドル
  • 米国株式の譲渡益にかかる税金
    • 楽天証券では米国の非居住者申請を包括で行っているため、米国での譲渡益課税は無し(注:配当には10%の税金がかかります)
    • 日本では、20.315%(所得税15%・復興所得税0.315%・住民税5%)の申告分離課税
  • 信託報酬手数料は基準価格に含まれているため本試算で考慮せず

試算結果

VOOに対する為替レートや手数料・税金の計算方法により、実際の運用結果と異なることをご了承ください。試算結果は次の通りです。

銘柄購入時支払額(円)売却時評価額(円)最終の受取額(円)利益(円)
255892,700160,875147,02554,325
VOO99,099171,464155,31856,518

グラフがほぼ重なっていた通り、差は僅少。VOOが 2,193円だけ利益が多く出ています。

第三ラウンドもVOOの利益が大きい

三回目の試算でも売却益はVOOの方が利益が大きくなりました。VOOの方が利益が大きいと言っても2,000円強の差です。しかし前回の500円弱の差を大きく上回るものとなりました。

三年間保有した結果の試算でおおよそ雰囲気がつかめたと思いますが、現実世界では十万円を初回だけ投資するという事は無く、定期的に積み立てたり、適宜買い増しをしたりと長期運用となるため、結果が異なる事は想像に難くありません。

どちらに投資をするかは自分の投資スタイルに合わせて分析し、ご自身の判断で行ってください。