遡ること、一年前の2021年5月17日にAT&TがワーナーメディアとDiscoveryで新会社を設立するというリリースを出しました。
以降、配当の減配の話が聞こえてきて、「実際にどうなるのか?」と気になっていましたが、ようやくアメリカでのアナウンスやニュースを目にすることが出来ただけではなく、証券会社からも連絡が来ました。
この記事の初稿を書いている2022年4月9日時点で、
- AT&Tの配当金は減配
- 新会社である、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの株式付与
のふたつが主な事項です。
VOICEROID解説動画
本記事の他に、AT&Tの歴史を加えた動画を用意していますので、ご覧ください。
AT&T配当
2022年5月2日が支払日となる配当金は、0.2775ドルでした。
配当金支払い状況を過去五年まで遡ってみると毎年増配してきており、前回の配当金は0.52ドルでした。ところが、2022年5月の支払い分から半分近くまで下がります。
これに伴ってか、AT&T株価の低迷と相まって一時は9%あった配当利回りは、7%台となっています。利回りがそれほど下がっていない様に思えるのは、株価も下がっていることによります。
2023年6月2日終値は15.21ドルまで下落しています。6月2日は特に大きく下げており、米国アマゾンがプライム会員向けに携帯電話サービスを提供するのではないかというニュースによるものです。
配当性向は、かつては60%台でした。しかし150億ドルあった配当金80億ドルまで減らすことになり、2023年6月現在の配当性向は45%で、40%に近づけると言っていた通りになっています。
Warner Bros. DiscoveryはNASDAQへ
AT&Tは、2022年4月8日にワーナーメディアとDiscoveryの統合が完了した旨をリリースしています。4月11日より新会社であるWarner Bros. Discoveryの株式はWBDのティッカーで、NASDAQで取引が開始されます。
Warner Bros. Discovery株式付与
AT&T株保有者はWBD株を付与
以前から触れられてはいたのですが、直近は2022年2月1日にAT&Tのリリースで、Warner Bros. Discovery株式を付与する旨が正式にアナウンスされました。
その比率は、AT&T株1株に対し、約0.24株を付与するというものです。AT&T株を100株保有している人はWarner Bros. Discovery株を24株受け取ることとなります。
アメリカでは、4月4日の市場が閉じた時点での情報を基にするとのことです。
アメリカでの情報がある一方、この時点で日本では何も案内はなく、何が起きるのかは分かりません。
証券会社からのお知らせ
期待をしながら証券会社からの連絡を待っていたところ、2022年4月7日に楽天証券にログインしたら、私の保有株式一覧に「コーポレートアクション」として記載がありました。内容を引用します。
AT&T 1株につき ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー 約0.24株が付与される予定※1株未満分は、後日相当額の米ドルを入金いたします。
楽天証券
この他に、権利落日が4月11日であること、現在特定口座に入っているAT&T株が一般口座に払い出されることが書かれています。
証券口座内のお知らせを追いかけるように、翌日の4月8日に二通のメールを受け取ります。それらの件名は以下の通りです。
- 保有・お気に入り銘柄のスピンオフが発表されました(銘柄情報通知サービス)
- お持ちの外国株式で払出しが行われる銘柄があります(銘柄情報通知サービス)
書かれている内容は、「コーポレートアクション」にあった記載と大きな差は無く、情報はここまでです。
気になる点はこうなった
さて、ここで気になることがいくつかあります。2022年4月9日に頭に浮かんだことは下記の通りです。
- 付与されるワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー株は特定口座、一般口座のどちらに入る?
- 一般口座に入ったAT&T株の配当金の税金はどのようになる?
スピンオフで株式が付与されるという体験が初めてであるため、素朴な疑問が湧いてきました。
1. ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー株の入庫先
よく考えれば「その通り」という結果で、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー株の入庫先は一般口座でした。このことは4月9日時点では、証券会社の案内に記載され、記事を書いた時点で失念していました。
なお、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー株は、2022年4月13日に一般口座に入庫されており、その取得価額は0円となっています。
2. 一般口座に入ったAT&T株の配当金の税金
こちらは、2022年5月に配当金が支払われた時に確認をしますので、本記事を更新している、2022年4月15日時点では不明です。
将来の確定申告
一般口座に入庫した株式の内、AT&Tについては取得価額情報が圧着葉書で届きました。
将来株式売却により、譲渡益が発生した場合はこの情報を基に確定申告を行うことになります。
一方で、目先の懸念事項としては、配当金をどの様にするか。これはまだ分かりません。
AT&Tとワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーで資産はどうなっているか
今回のスピンアウトの手続きが行われるタイミングで保有していたAT&T株は120株でした。付与されるワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー株は、約0.24株でしたが、最終的には0.241917株で付与となります。
これにより、29株を受け取っています。
さて、AT&Tの120株にワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの29株。大きな得を感じます・・・が、スピンオフに伴いAT&Tの株価が変更となっているため、それほど大きなお得でもありません。
以下に示します。株価は動いていくため、下記数値は計算時点(2022年4月14日終値)でのものとご理解ください。
- スピンアウト前:2,896.80ドル(24.14ドル x 120株)
- スピンアウト後:3,066.32ドル
- AT&T:19.54ドル x 120株 = 2,344.80ドル
- ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー: 24.88ドル x 29株 = 721.52ドル
今の株価で見ると、169.52ドルの含み益がある計算となりました。5%強の含み益を得られていますが、配当金諸々で、トータルリターンがどのようになるかは、今後追いかけていく必要があります。