レムデシビルはSPYDの救世主になるのか

投資
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SPYDがなかなか上がらない

三月にSPYDの産業構成割合を見ながら、株価が大きく下がっている理由を探りました。

四月の米国雇用統計は、かつてないほどの悪い数値でした。しかしながら、米国市場は予想よりも悪い結果ではなかったこと、都市の段階的解除が予見されることから、買いが集まっています。

このような相場の中で、保有しているETFとSPYDの過去三か月間の騰落率を比較します。

  • SPYD(青):-30.56%
  • HDV(緑):-14.69%
  • QQQ(ピンク):-1.89%
Yahoo! Finance

三月下旬を底としてとらえると、テクノロジー関連株が多いQQQの株価は2020年初の水準まで戻っています。

HDVとSPYDはともに上昇線を描いていますが、SPYDはHDVと比較するとまだ弱いです。

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SPYDのセクター構成が変わっている

三月と五月ではSPYDのセクター構成が変わっていますので、確認をしましょう。上のグラフが5月7日時点、下が3月19日時点です。

State Streetの資料からチャート作成

構成割合が大きく変わったセクターを色分けしています。特に大きく変わったのは一般消費財で14.74%から6.43%と半分以下に減っています。一方で、エネルギーは構成割合を増やしています。

会社数が80社から70社へ減少

この構成割合の変化は株価の変動よりむしろ、会社数の変化が影響しています。

全体では80社から70社へ減少しています。内訳をみると一般消費財は九社、エネルギーでは一社の減少です。

三月から五月にかけて、除外された銘柄リストは次の通りです。

  • 一般消費財
    • Las Vegas Sands Corp.(LVS)
    • Nordstrom Inc.(JWN)
    • L Brands Inc.(LB)
    • Ford Motor Company(F)
    • Tapestry Inc.(TPR)
    • Gap Inc.(GPS)
    • Macy’s Inc(M)
    • Kohl’s Corporation(KSS)
    • Carnival Corporation(CCL)
  • エネルギー
    • Apache Corporation(APA)

日本人に馴染みのある会社では、ビクトリアシークレットのL Brands、Ford、COACHの親会社のTapestry、GAPなどです。

加えて、5月12日に一斉にニュースになった、日本のカジノプロジェクトから撤退することを表明したLas Vegas Sandsも構成銘柄でした。

SPYDの目論見書には、通常一月と七月の年二回に銘柄入替(リバランス)を実施すると書かれています。ただ、通常の入替とは別に時々行うこともあると記載されているため、今回売却を行ったのではないでしょうか。推測になるのは、資料が見つけられなかった事によります。

レムデシビルの寄与はどれくらい?

さて、本題のレムデシビルとSPYDの関係です。

SPYDの銘柄は基本的には均等割合で構成されているのですが、各銘柄で僅かな差が発生します。そのため、SPYDで最も高い割合の会社は、Gilead Sciences Inc.(GILD)となります。

カタカナで書くと「ギリアド・サイエンシズ」です。

新型コロナウイルス関連で話題のレムデシビルを作っている製薬会社です。レムデシビルは米国では5月7日から各州への配布が開始されています。

日本では米国外の国では初の新型コロナウイルス治療薬として2020年5月7日に薬事承認が下りました。(ギリアド・サイエンシズ株式会社のプレスリリース

治療薬が存在しない中、既存の薬で新型コロナウイルスへの効果が期待されるということで、株価も上昇しています。(青がSPYD、赤がギリアド・サイエンシズ)

Yahoo! Finance

上述の通り、SPYDはS&P500の中で高配当の会社を80社(現時点では70社)、均等投資する方針なので、残念ながらギリアド・サイエンシズの上昇は大きく寄与しません。

更に、三月と五月の構成割合とYTDのパフォーマンスを比較します。ギリアド・サイエンシズが含まれるヘルスケアは、ITに次いで大きく回復しているのですが、SPYDにおける構成割合は五月でも8%と割合は高くありません。

State Streetとフィデリティのデータから表を作成

一方で、金融やエネルギーなど回復が遅い産業が高い割合を占めるため、全体として株価が奮わない状態になっていると推察できます。

ギリアド・サイエンシズがSPYDの構成銘柄であると聞くと、一瞬小躍りしてしまいそうですが、SPYDの特徴に立ち戻れば、そうではないことに気づきます。

とは言ってもこの薬によって他の産業、銘柄も盛り返す可能性があると思うと期待をしてしまいます。