SPYDの突出した下落を産業構成の割合から見る

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他ETFとSPYD騰落率を比較

保有している三つの米国ETFについて、2月3日~3月20日までの動きを追ってみます。括弧内の色は下記チャートを示しています。

  • SPYD(青):-41.44%
  • HDV(緑):-30.38%
  • QQQ(ピンク):-22.08%
Yahoo! Finance

SPYDが突出して下落率が高いです。これをバーゲンセールとみるか、撤退とみるかは各人のリスク許容度に依存すると思いますが、個人的にはバーゲンセールとみているので、昨夜スポット買いをしました。

SPYDが暴落時に弱いのは含まれている会社が80社と分散があまり効いていないという話もあります。同時に各ETFが対象にしている産業やその構成比も影響があると考えていますので、何がどれくらい差異があるのかを見ていきます。

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各ETFのセクター構成

SPYD、HDV、QQQのセクター構成を見ます。情報は2020年3月19日時点で、それぞれの投信会社の情報からチャートを作成しています。

SPYD

上位三つは、不動産、一般消費財、金融で45%を占めています。

State Streetの資料からチャート作成

HDV

ヘルスケアとコミュニケーションで4割を構成しています。HDVはエネルギーの比率が高いと言われていますが、現在は15%弱で三番目に位置しています。

iSharesの資料からチャート作成

SPYDの上位三セクターと重なる産業の棒グラフを塗りつぶしていますが、不動産は0.06%、一般消費財も1.22%と低い構成割合で、金融も一割に満たないです。

QQQ

先の二つとは全く異なるセクター構成です。ITだけで46%を占め、一般消費財が15%で三位についています。金融は0.27%とごくわずかで、不動産は含まれていません。

Invescoの資料からチャート作成

各セクターのパフォーマンス

ETFにより構成されるセクターが大幅に異なることが確認できました。大幅に株価が下落している中でも濃淡はあるはずなので、各セクターのパフォーマンスを見ます。

下記表はフィデリティの2020年3月20日付データを基に作成しています。「3 Months」は過去三か月間のパフォーマンス、「YTD」は1月1日から3月20日までのパフォーマンスです。期間が近いので大きな差はありませんが参考として二種類掲載しています。

各社の構成比とフィデリティのデータから表を作成

下落率が最も大きいセクターはエネルギーで、金融、資本財と続いています。これらはHDV、QQQには含まれていないか、含まれていても構成割合は小さいです。

そして更なる違いを生んでいるものは不動産です。三割近くの下落をしている産業がSPYDでは最も大きな割合を占めているのに対し、HDVでは0.06%のみ、QQQには含まれていません。これに加えて、素材がSPYDのみに含まれていることも影響があります。

QQQは下落率が低いITの割合が半分近くを占めているため、被害が小さく済んでいます。

五月に入り、QQQは年初の水準にまで戻っています。これに対しSPYDの株価は奮わないままでいます。そんなSPYDの状況を再度チェックした記事は下記からご覧ください。

これからの運用方針(2020年3月時点)

QQQは別ですが、SPYDとHDVという二つの高配当ETFに投資し始めた理由は、構成内容が異なるためで、SPYDの一人負けはあり得る話です。

もしかして、5Gで使われるミリ波に大きな欠陥や人体への影響が医学的に証明され、コミュニケーションセクターに含まれる業種が大きく下落し、HDVやQQQが暴落する可能性はあります。特定セクター、業種への致命傷は運用方針を考え直す必要があると思いますが、今回の株価下落はあらゆるセクターに影響があります。

懸念点をひとつ挙げると、SPYDは一般消費財が15%近くを占めています。下落幅は三割未満ですが、一般消費財にはホテルや小売りなどが含まれており、消費者の行動が制限され、それに伴い消費意欲が下がると、これからも負の影響が続く恐れがあります。

いずれにしても、今の段階では自身のポートフォリオを変える予定はありません。冒頭にも述べた通り、バーゲンセールと解釈し、相場を見ながら買い増しするかを考えていこうと思っています。

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