この記事で使用しているデータはAIで調べたもので、データの精査は行っていません。
インターネットで検索して、データを抽出して表やグラフを作成、という手順は時間と手間を要します。
昨今はAIが進化していることもあり、インターネットの検索、表やグラフの作成をAIに任せてみたのが、S&P500、NASDAQ100に投資した場合のパフォーマンス。
これまでの世の中の状況を振り返れば、AIに聞くまでもなく回答は明らかなのですが、どのようなプロンプトを入れて、どのような回答を得たかを紹介します。
なお、使用したAIはGrokです。
最初の質問と回答
最初は以下のプロンプトを入れました。
比較をしたいので、以下のシミュレーションをお願いします。2005年から2025年まで毎月10万円をS&P500だけに投資して積立をし続けるのと、5万円ずつS&P500とNASDAQ100に投資した時のシミュレーションをデータとグラフで表してください。
キリの良い過去二十年間でデータを取得しようと思ったのですが、二十年間でデータが取得できない事を失念しての質問でした。
回答は以下の通りで、ETFのデータを使って調べていることが分かります。
以下は、データ入手可能性の制約により、2011年4月から2025年12月までのシミュレーション結果です。ETFデータ (QQQ for NASDAQ100) の歴史的データが2011年3月から利用可能であったため、この期間から開始しています。投資は毎月の最初の取引日に実行し、配当は支払日に再投資しています。価値は年末 (または2025年は利用可能な最終日) のポートフォリオ価値 (JPY) を示します。
データ
| Year | S&P500 only (JPY) | S&P500 + NASDAQ100 (JPY) |
|---|---|---|
| 2011 | 873,384 | 871,461 |
| 2012 | 2,514,838 | 2,507,302 |
| 2013 | 5,553,659 | 5,641,803 |
| 2014 | 8,660,091 | 8,985,957 |
| 2015 | 9,978,158 | 10,721,778 |
| 2016 | 12,270,456 | 12,801,366 |
| 2017 | 15,717,610 | 17,054,113 |
| 2018 | 15,688,546 | 17,330,435 |
| 2019 | 21,748,133 | 24,630,327 |
| 2020 | 25,836,435 | 33,096,786 |
| 2021 | 38,535,749 | 48,652,000 |
| 2022 | 37,002,446 | 41,581,351 |
| 2013 | 51,600,834 | 64,963,919 |
| 2024 | 73,334,242 | 92,249,877 |
| 2025 | 88,400,315 | 112,680,079 |
グラフ

このシミュレーションは、歴史的な価格データ、配当再投資、および為替レートを考慮しています。実際の投資結果は手数料、税金、その他の要因により異なります。
続いての質問と回答
この結果を見てから気づいたのが、NASDAQ100に単体で投資した場合のケースもあったほうがよいという事。そこで追加のプロンプトを書きます。
ありがとうございます。2011年から同期間、NASDAQ100(QQQ)だけに10万円を投資したケースも追加して比較をお願いします。
回答は以下の通りです。表やグラフの一部が日本語になったのはご愛敬でしょうか。
以下は、2011年4月から2025年12月までのシミュレーション結果です(前回と同じ期間)。追加で、毎月10万円をNASDAQ100(QQQ)のみに投資した場合のケースを加え、3つのケースを比較します。
・ケース1: 毎月10万円をS&P500のみ
・ケース2: 毎月5万円ずつS&P500とNASDAQ100に分散(合計10万円)
・ケース3: 毎月10万円をNASDAQ100のみ
投資は毎月の最初の取引日に実行、配当再投資、為替変動を考慮した円建て価値です。年末時点(2025年は最新利用可能日)のポートフォリオ総額を示します。
データ(単位:円)
| Year | S&P500のみ (10万円/月) | S&P500 + NASDAQ100 (5万円ずつ) | NASDAQ100のみ (10万円/月) |
|---|---|---|---|
| 2011 | 873,384 | 871,461 | 869,538 |
| 2012 | 2,514,838 | 2,507,302 | 2,499,766 |
| 2013 | 5,553,659 | 5,641,803 | 5,729,947 |
| 2014 | 8,660,091 | 8,985,957 | 9,311,823 |
| 2015 | 9,978,158 | 10,721,778 | 11,465,398 |
| 2016 | 12,270,456 | 12,801,366 | 13,332,276 |
| 2017 | 15,717,610 | 17,054,113 | 18,390,616 |
| 2018 | 15,688,546 | 17,330,435 | 18,972,324 |
| 2019 | 21,748,133 | 24,630,327 | 27,512,521 |
| 2020 | 25,836,435 | 33,096,786 | 40,357,137 |
| 2021 | 38,535,749 | 48,652,000 | 58,768,251 |
| 2022 | 37,002,446 | 41,581,351 | 46,160,256 |
| 2023 | 51,600,834 | 64,963,919 | 78,327,004 |
| 2024 | 73,334,242 | 92,249,877 | 111,165,512 |
| 2025 | 88,400,315 | 112,680,079 | 136,959,843 |
考察
・NASDAQ100のみが最も高い成長を示しており、2025年末時点で約1億3,696万円に到達。
・分散ケース(S&P500 + NASDAQ100)はS&P500のみを上回っていますが、NASDAQ100のみには及びません。これはNASDAQ100の高いリターンが分散効果を上回ったためです。
・総投資額(2011年4月~2025年12月、約177ヶ月×10万円=約1億7,700万円)に対し、NASDAQ100のみの場合の最終価値が最も高く、テクノロジー株中心の強さが顕著です。

このシミュレーションは歴史的なデータに基づくもので、手数料・税金・スプレッド等は考慮していません。実際の投資はリスクを伴い、過去の実績が将来を保証するものではありません。
下準備にAIの力を借りたいが、確認を怠ってはいけない
過去のパフォーマンスに基づけば、NASDAQ100のみへの投資が最も成長したという非常に分かり易い題材をAIに調べてもらいました。
単にデータを検索して成形してくれるだけではなく、考察も付け加えてくれるのは、ざっと情報をまとめて知りたい時には助けになります。
ただ、全てをAIに頼るにはおぼつかないどころか、自分で確認をした方が良いという点もあります。
ひとつは、NASDAQ100はQQQを調べている事は明言されていますが、S&P500はSPYなのか、VOOなのかが不明で片手落ち感は否めません。
もうひとつは、総投資額が、10万円 x 177か月で計1,770万円となるにもかかわらず、1億7,700万円と計算結果が誤っている事です。こうなってくると、表に記載された数字は正しいのか疑問が湧いてきます。
この結果を見てから、過去にあった事柄を思い出します。
あることをAIに聞いたら、全く異なる情報を頑なに吐き出してきたことがあります。自分で調べた結果をサイトのURLと一緒に「このURLにあるサイトの情報とあなたの回答が異なるのですが調べてください」とプロンプトを投げたところ、謝罪の言葉がAIから出てくるという、驚きの結末で、個人的には笑い話にもなっています。
しかしながら、大事な調べものを全てAIに頼るのは危険という事も実感したため、AIの力を借りるのは下準備程度で、確認は怠ってはいけないと思っています。
