日本では、2月23日は天皇誕生日で祝日でしたが、米国市場は平日なので株式の取引は行われています。
23日の米国市場は熱かった。
市場が始まる前の時間外取引では多くの銘柄が売られ、市場が開いて最初の15~20分も売りが重なり、保有している半分近くの銘柄では含み益が一気に減りました。
余力を考慮すると、ここでチマチマと買増したとしても平均取得価格が大きく下がらないこともあり、眺めるだけにしていました。
一時間もすると買い戻しが見られ、下げ続けの状況ではないことを確認し、就寝。
ところが、翌朝に大きなニュースが目に留まりました。
Workhorse (WKHS) 株価47%下落
一番の驚きは、Workhorse株価が大幅に下落したことです。
きっかけは米国郵政公社 (USPS) による次世代配達トラックの落札結果発表です。Workhorseは落札できませんでした。
これにより、2月22日の終値が31.34ドルであったところ、23日の終値は16.47ドル。実に47%の下落です。
日本であれば、ストップ安となって取引が止まりますが、米国市場は個別銘柄でそのようなことが「基本的」に無いはずなので、このようなことが発生します。
同社はUSPSの配達トラック入札に参加。USPSの契約を一社で獲得すれば、18万台(最終的には最大16万5千台)、60億ドルの契約になると言われていました。
その期待で2020年夏頃から株が買われ始め、上昇して15~20ドルを推移していた株価は落札の憶測が飛ぶたびに30ドル近辺まで上昇。
また、昨年後半には日立との提携に関するニュースが出た時には、懸念とされていた生産台数の確保にも光が見えたという事で個人投資家は盛り上がっています。
2021年に入ってから株価は過去二回とは異なる急騰ぶりで、一時は40ドルを超えています。
これはUSPSの入札というよりも、米国政府による政府関係車のEV置き換えに対する期待や、ゲームストップ株で起きた空売りに対する対抗が同社株でも発生していて値が上がっていたという話があります。
そのような株価の動きの中、Workhorse株は23日のニュースで一気に暴落しました。
Oshkosh (OSK) 株価6%上昇
USPSの配達トラックを落札したのが、Oshkoshです。
同社は、レッカー車、コンクリートミキサー車、ごみ収集車などの働く車に加え、軍用の車も製造しています。配達車をEVで供給するというイメージは薄いものの、Workhorseと折半で落札するのではないか、という噂もありました。
十年かけての置換えとはいっても、最大16万5千台という規模は大きく、受注の一社独占は考えにくいため、複数社で契約は分け合うと言われていましたが、同社のみが落札という結果になっています。
ただ、Oshkoshの受注の一部でフォードからエンジンの供給を受ける予定だという報道がDetroit Free Pressでされているのは理解し難いです。
フォードがEVトラックを作るという話もあり、その協業かと思いきや、エンジン供給。
入札時の条件で仕様は「米国で生産されるEV」とあったにもかかわらず、エンジンの供給というのは不思議に思いました。
USPSのリリースを読むと、低燃費の内燃機関またはバッテリー式電動パワートレインのいずれかを装備して、EVの技術進歩に対応した後付けが可能な車両とあるので、それがフォードとの関連を示唆しているのかもしれません。
Oshkoshの株価は入札のニュースがあっても、Workhorse株の下落ほどの大きなジャンプはなく、22日の終値103.28ドルに対し、23日の終値は109.62ドルと6%の上昇でした。
米国の投資系YouTuberの反応
さすがにWorkhorseの「期待しては外れ。期待しては外れ」という状況に慣れているのか、私がざっと動画を見た限りの人たちは落ち着いたトーンで話していました。
USPSだけではなくUPSといった宅配会社のトラックの受注も期待できるし、ドローン配達でも期待ができるというのが根拠で、長期保有を勧め、投げ売りを避けるように伝えています。
一方でコメントを見ると、Workhorseは長年売上もロクに上げられておらず、技術力もないのではないか、という言葉を投げつける人もおり、気持ちは分からなくもないです。
Workhorseは2021年2月24日のプレスリリースで、今回の決定を知った時点でUSPSに追加情報を求めて、回答を待っている旨を伝えています。さらなる情報が入手できた場合は可能な範囲で情報共有をするとのことなので、続報を待ちたいところです。
また、2020年第4四半期決算および2020年通年の決算発表は3月1日に予定されていますが、今後どのような情報が出てくるかは気になるところです。