テスラ(TSLA)はS&P500銘柄になれるのか

S&P500

7月14日、7月18日に記事の編集をしています。

7月のETF定期買付記事でテスラ(TSLA)について触れました。

テスラの時価総額が約30兆円とトヨタ、ホンダ、日産、スズキの時価総額合計を上回り、テスラが今月の決算発表で黒字を達成するとS&P500への採用基準を満たすことになります。

テスラは2017年~2018年にかけてはモデル3生産がうまくいかなかったり、巨額の赤字を抱えていました。しかしその後、赤字の縮小や資金調達により200ドルを割っていた株価は2019年後半から上昇していきます。

今年二月にはS&P500への採用思惑から期待の買いが入り、一時は900ドルを超える株価になっています。その後は新型コロナウイルスの影響で他の銘柄と同様に三月中旬にかけて下落していますが、7月10日の終値は1544.65ドルです。

7月22日に決算を控えた今、再びテスラ株のS&P500採用への期待が出てきました。この株価上昇にはその思惑が見え隠れします。

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S&P500の採用基準

S&P500の採用基準はどのようなものでしょうか。

一次ソースを当たるべく、S&P Dow Jones IndicesのS&P500に関するページを見たものの、内容が難しく他の二次情報と組み合わせて並べると以下の通りです。

  1. 米国籍の会社
  2. NYSEやNASDAQなど指定の証券取引場に上場
  3. 時価総額が82億ドル以上
  4. 年間取引に対する浮動株調整後の時価総額が最低1.00を超えている
  5. 最低25万株の月間取引が評価日までの半年続いている
  6. 直近の4四半期が黒字

いろいろな情報を探ってみましたが、難しいですね。簡単にまとめると

米国籍の上場企業で黒字が一年続いていて、その株式の流動性が高い

というのが基準になります。

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テスラは採用基準を満たしているか

テスラが採用基準を満たしてるかを確認します。

  1. 〇:米国籍の会社
  2. 〇:NYSEやNASDAQなど指定の証券取引場に上場
  3. 〇:時価総額が82億ドル以上
  4. ?:年間取引に対する浮動株調整後の時価総額が最低1.00を超えている
  5. △:最低25万株の月間取引が評価日までの半年続いている
  6. ?:直近の4四半期が黒字

NASDAQに上場している米国の会社であるテスラは、日本の完成車メーカーの時価総額を超えて上記の「1」~「3」は満たしています。

「4」は計算の仕方が良くわからないので、疑問符(?)としています。

「5」は現時点で過去三か月を振り返っても月平均で1400万株以上の取引があります。S&P500採用の期待が高まると取引量は増加しても減ることはないでしょう。

「6」が今回の注目ポイントです。テスラの決算資料を一部抜粋します。

Q1-2019Q2-2019Q3-2019Q4-2019Q1-2020Q2-2020
Net (loss) income attributable to common stockholders (GAAP)(702)(408)14310516TBD
TeslaのQ1 2020決算資料から抜粋。単位はUSD in million

2019年第1四半期には7億ドルを超える赤字でしたが、第3四半期から黒字となっていて、7月22日に予定されている第2四半期の決算が分岐点となっています。

仮に7月22日の決算が赤字だったとしても、第3四半期が黒字であれば、採用の機会はあり得ると言われています。

2020年4月~6月のテスラ

第2四半期に当たる四~六月は新型コロナウイルスの影響で完成車メーカーは工場の操業を停止しています。テスラも工場の操業停止をしていましたが、イーロン・マスク氏が5月12日にカリフォルニア州フリーモント工場の操業再開をツイッターで宣言しました。

また、ニューヨーク工場ではコロナウイルス感染者が出ていますが、工場の停止は行っていません。

業績予想の手がかりとして2020年7月2日に発表された第2四半期の生産台数と納車台数を見ます。

  • 生産台数(モデルS/X、モデル3/Yの合計):82,272
  • 納車台数(モデルS/X、モデル3/Yの合計):90,650

生産台数は上述の工場の操業状況により、対前期で80%程度に納まっています。これは他メーカーと比較すると高い水準となります。また納車台数は、前期比で2,250台のプラスです。

となると、前期でも黒字だったことに鑑み、決算はギリギリ黒字になるのではと推測します。

S&P500に採用されるとは

何が起きそうか

もしもテスラがS&P500に採用されると何が起きるかというと、ETFなどの投資信託がテスラ株を購入することになります。となると今後起こることは想像に難くありません。

特に実際に組み入れられることが発表(通常一週間前)されると、期待で人々が買いに走るため株価は上昇します。

しかしながら、実際にS&P500などのインデックスに組み入れられると、その株価は収束に向かいます。

長期的に見れば、通常の株価変動に落ち着きますが、短期的には思惑が入り乱れた売買が発生し、乱高下となります。

2020年7月13日週のテスラ株価

7月10日には今後上昇が続くのではないかと思わせぶりな様子で市場が閉じ、週が明けた13日は一気に上昇しました。早い時間には最高値である1,794.99ドルに達したものの、以降は下落し、金曜日まで1,500ドルを超える水準を上下していました。

Yahoo! Finance

他のS&P500採用銘柄の動き

テスラ株は事前の噂レベルで激しい値動きをしています。では、他の銘柄はどうでしょうか。

S&P500は四半期ごと、三月、六月、九月、十二月の年四回で銘柄の入れ替えを行っています。

直近の2020年6月に入替のあった銘柄を抜粋して動きを見ます。

Yahoo! Finance

追加された銘柄と外れた銘柄のチャートで、凡例は以下の通りです。

  • 青:Bio-Rad Laboratories(BIO)
  • ピンク:Teledyne Technologies(TDY)
  • 緑:West Pharmaceutical Services(WST)
  • 赤茶:Harley-Davidson(HOG)

さて、上記の中で追加銘柄と除外銘柄はどれかというのが興味深いところで、ハーレーダビッドソンが除外銘柄で、残りの三つが追加です。

採用のアナウンスやニュースがあってから実際に追加がされても、ロケットのような上昇がないどころか銘柄によっては価格が低下しています。

ジェットコースターのような値動きをするのは、S&P500銘柄に採用されるかという事そのものよりも、銘柄の話題性に依存するのではないでしょうか。

2020年7月12日時点、テスラ株を買いたい気持ちが強い

テスラがS&P500に採用されることが分かっていれば、現在の1500ドルを超える株価でも買った方が良いのではないかと思います。

ただし、ジャンピングキャッチになりかねないので、売買は慎重にする必要があります。

かつて、2000年前後のITバブルと言われた頃、1999年にヤフーがS&P500に採用されるという発表の後、実際に追加されるまでの五日間で64%株価が上昇しました。毎日一割以上株価が上昇した夢のような期間です。

しかし、その後ヤフーの株価は下落。そのタイミングで長期ホールドするつもりで買った場合は、上昇益を狙う機会はありませんでした。

上述した四銘柄よりもヤフーの方が話題性が強い上に、ITバブルの時期なのでこのようなジェットコースター的な値動きをしたと思われます。

話題性の強いテスラのことなので、かつてのヤフーの様な夢を見てテスラに期待する声もあれば、ここ数日の上昇が異常と見て空売りの準備をしている人たちもいるという話もあります。

いずれにしても株価は「需給関係でどちらかに転ぶかで決まる」ということを念頭に置いておく必要がありますし、一旦保有したら短期的な乱高下に振り落とされないように注意が必要でしょう。

欲の皮が突っ張ってきたので買いたい気持ちもありますが、7月13日週は冷静になって相場を眺めたいと思います。

2020年第2四半期決算発表

2020年7月22日にテスラの第2四半期決算が発表されましたので、こちらの記事でご覧ください。