「投資をしよう!」と思ったあなたに、細かい説明を極力省略して簡潔に説明をする「はじめての投資」です。
本記事に記載の内容は旧制度のNISAを基にしています。
一般NISAとつみたてNISAのどちらを開設すればよいか
前回の記事でNISA口座には、NISA(以降「一般NISA」と呼びます)とつみたてNISAがあることを述べました。
一人ひとつの口座しか選択できないのであれば、どれにするのが良いか迷うと思います。
個人的な意見は「長期で資産運用をする前提」で、つみたてNISA口座。
この記事を読んでいるあなたは、きっと投資初心者だと想像します。株式や投資信託は怖いと漠然と感じているかもしれません。
しかしながら、短期でなけなしのお金をつぎ込むのではなく、長期で資産運用することを考えるために「20年の積立て期間を使いましょう」ということです。
一般NISAの場合
つみたてNISAの前に、一般NISAについて触れます。概要の復習です。
- 非課税枠:新規投資額で年間120万円まで
- 非課税期間:最長5年
- 投資可能期間:2014~2023年
概要を見てわかる通り、特に初めて投資をしようとするあなたには、一般NISAは長期投資の観点からお勧めしにくいです。加えると、2024年から新NISAが運用されると「ロールオーバー」といった資産移管は複雑怪奇になります。
NISA見直しの噂も耳にしますが、現在の制度では残り三年の投資期間で有望な銘柄を見つけることができるか、五年で望むリターンが得られるか、そもそも年間120万円の枠を使いきれるか、初めて投資する人にはハードルが高いです。
個別株を例にして、過去五年のパフォーマンスを見てみます。
ひとつ目の例、ソフトバンク(9984)を2019年に3500円で100株買いました。投資額は35万円です。
2021年に10,000円で売却したら、譲渡益は65万円になります。
では、もう一つ、高配当株と呼ばれているJT(2914)です。
JTも100株買った場合、2019年の投資額はソフトバンクを下回るとはいえ、30万円強です。高配当株なので、非課税の配当金を受け取り続けます。しかしながら、一時は見事な下降線を描いていて半分近くにまで下落し、2020年に売却しても譲渡益どころか損益が発生する状況でした。
優待や配当の見直しはあるとは言っても配当金を理由で、保有し続けて2023年には2019年の水準に到達しようとしています。ここでギリギリ売却という判断もあるでしょう。
2023年までの現行NISAは積立が向いている
一般NISA口座では個別株以外の取引も可能ですが、わかりやすくするために日本の個別株を二例提示しました。
短期売買で利益を狙うと投資ではなく、投機になってしまいます。
長期投資で着実なリターンを目指すのであれば、長期での運用に向いている、つみたてNISAの口座を開設するのが良いでしょう。2023年からは積立可能期間が2041年までとなります。
そして、2024年以降の新しいNISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用可能になるので、どちらのNISA口座を持つべきか、という悩みは無くなります。ただし、口座の区別が無くても各々の投資枠で年間投資枠が異なり、1,800万円の非課税保有限度額の内、成長投資枠は1,200万円が上限となります。
今から積立を始めるか、来年まで待つか、が悩みかもしれません。
しかし、長期投資は時間を味方につけることも必要なので、早いに越したことはないと考えます。これは、「長期で投資すれば必ず儲かる」ということではありません。あくまでも適切な投資対象に投資をして味方につけた時間で、預貯金よりも有利にすることを目指しているだけです。
そのため、途中に経験するであろう暴落時も積立をし続けることが重要です。