クレジットカードの支払いを保留
新型コロナウイルスの終息が見えてきません。海外発信のニュースに目を向けると、日を追うごとに状況が悪くなる一方にも感じます。
そんな中、ゴールドマン・サックスがApple Cardの三月請求に対する支払いを保留にすることを、米国時間の3月17日に明らかにしています。
シティバンクなどでは月額の口座管理料の免除を行ったり、アメリカン・エキスプレスも救済策を打ち出したりし、ゴールドマン・サックスも消費者向けサービスにおいて他社と足並みを揃えた形となります。
支払いの保留とは
支払いを保留にするには、Customer Assistance Programというプログラムへの参加手続きが必要です。プログラムに参加しないままに支払わずにいると、信用情報に影響がでます。
クレジットカードの支払い保留とは、どういうことでしょうか。日本と米国はクレジットカードの請求、支払いが異なります。
大分古い話で恐縮ですが、私も米国在住時にクレジットカードを持っていました。根本的な請求や支払いの仕組みは変わっていないと思いますので、当時の経験と知識を基に書きます。
米国のクレジットカードの支払いは日本とは異なり、一括払い、○○回払いという概念はありません。請求書が送られてくると、請求額に対して自分の家計から支払える分の小切手を切ります。もちろん全額支払えるのであれば、全額分の小切手を切ります。一部だけを支払うと、請求残額に対して翌月は利子がついて請求されます。
今回のゴールドマン・サックスの措置は、三月請求分に対して支払いが全くできなくても、翌月に利子を乗せることもなく、信用情報に影響がないということです。
個人向け部門立ち上げ早々のチャレンジ
競合のモルガン・スタンレーは2月20日にEトレード証券の買収を公にしました。その記事でも触れているように、投資銀行が個人消費者向けのサービスに参入しています。ゴールドマン・サックスは個人向け融資サービスは数年前から行っていました。
その後、ゴールドマン・サックスはApple Card事業を開始。2020年1月の組織再編では、個人向けの独立した部門として「Consumer & Wealth Management」を立ち上げ、個人向け事業に本腰を入れようとしていました。
そこから三ヶ月、新型コロナウイルスが中国から米国を含むあらゆる地域に拡大したことで、このような対応を迫られています。企業の業績にどの程度影響があるのか、数か月後の決算が気になります。