2020年の2月17日週は米国株に大幅な上下変動がありました。
厳密には、17日は米国は祝日(Presidents Day)だったため18~20日の三日間の動きを下記チャートで確認します。
14日のApple株の終値は324.95ドル、18日の寄り付きは315.36ドルで約3%と大きく下落しました。19日には持ち直しかけたものの、20日の午前に再度価格が下がっています。
S&PおよびQQQも似たような形のチャートを描いていますが、Apple株ほどは大きな動きではありません。
Appleの構成割合
先のチャートに加え、2020年2月19日にロイター配信の「Dow, S&P 500 hurt by Apple warning」と名付けられたニュースビデオを見て、Appleが構成銘柄になっているSPYとQQQが実際にどの程度連動するかと興味が湧き、Appleの構成割合を調べてみます。
- S&P500: 4.85%
- QQQ: 12.22%
S&P500はAppleが二番目に多く、QQQはハイテク銘柄を中心としているだけあって、最も構成割合の高いAppleは一割を超えます。ちなみに、これら二つの指数は時価総額加重平均です。
余談ですが、上記リンク先の動画にある様にApple株はダウ平均の銘柄でもあります。ダウ平均は株価平均指数であるがため、高い株価の銘柄につられて動く傾向があります。これは同様の指数である日経平均でも発生します。
そのため、Appleが四分割の株式分割をすることについて、ダウ平均では好意的に受け取られています。下記記事では2020年7月30日に発表された株式分割について触れています。
指数への影響はあっても個別株ほどハラハラしなくて済む
指数への影響はあるように見える
S&P500に連動するSPYとハイテク銘柄を中心としたQQQで、Appleの構成割合はほぼトップに位置しています。
しかしながら、上記でリンクを貼ったロイターのニュースビデオにあるよう、Appleが今回の新型コロナウイルスにより中国で需要と供給の両方が一気に減り、パフォーマンスへの警鐘を鳴らしたことはS&P500への影響があったものの、18日朝一の下落幅は限定的で、QQQも同様の動きです。
それ以降のチャートは相似形であるのは、S&P500を構成するWalmart、Boston Scientific Corp、Hilton等、新型コロナウイルスのビジネスへの影響が出ていることが明らかになっていることによるのでしょう。
Appleをはじめ、複数の企業が含まれるSPYやQQQであっても、世界規模のイベントが発生するとAppleと似たようなパフォーマンスとなる会社が一定数発生し、株価の乱高下は避けることができません。
固有株だけを持っていたら…
週が押し迫ると、Appleの中国における第1四半期の売上げが大きく落ちるのではないかと予測されています。Appleにとって中国は売上げの15%を占め、生産も依存しているため影響は大きいです。
さらにiPhoneとAirPodの生産が不安定になることで40億ドル規模の追加費用が見込まれるといった試算もあります。
しかし、潰れることはないにしても、このような状況でApple株を保有していると、株価の動きに対する不安は個別株であるが故に強く感じるでしょう。
インデックス投資は不安を軽減するが、投機のような大儲けもできない
そこでインデックス投資によるメリットと言われるのが、世界規模のイベントがあったとしても、いきなり大企業が何社も同時に潰れることはありません。
例えばAppleやWalmart、Hiltonなどが下落しているのとは反対に、 中国市場の影響があっても、S&P500の構成銘柄であるGeneral MillsやHasbroなどの株価は上昇がみられます。
インデックス投資は下落時に不安を軽減することは出来ますが、個別株の上昇時に大きなメリットを享受することもできないことは頭の隅に留めておいた方が良いでしょう。
個人の資金力で広範囲な分散投資は困難であることは、過去の記事でも触れています。分散投資であるインデックス投資によって下落の状況に陥っても、必要以上に心配する必要がないことを多少なりとも感じてもらえればと思います。