Russell 1000の成長株への投資 – VONG(動画解説あり)

動画解説(メカブ投資channel)

以前、FTSE Russellが提供するRussell 1000という指数についての記事を書きました。その記事では、S&P500と比較をしながら、本指数に連動を目指すETFのVanguard Russell 1000 ETF (VONE)についても見ています。

VONEはRussell 1000との連動を目指していますが、Russell 1000の成長株に投資をするETFも存在します。

そのETFはVanguard Russell 1000 Growth ETF (VONG)と言います。

さて、その成長株へ投資するETFとはどんなものでしょうか。

【注意】本銘柄は個人の意見として記載しているのみで、推奨されるものではありません。ETFの商品内容を確認した上で、ご自身の責任で投資判断を下してください。

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VOICEROID解説

Russell1000に連動するVONEに続き、VONGの動画も作成しましたので、ぜひご覧ください。

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成長株とは何か?

成長株は、グロース株とも呼ばれますが、一体どんな株式なのでしょうか。

Investopediaでその説明を一部引用します。

A growth stock is any share in a company that is anticipated to grow at a rate significantly above the average growth for the market.

Investopedia

この説明には、市場の平均よりも成長率が「Significant」に高い、と書かれています。ただ、この「Significant」が統計的に「有意」という意味なのか、もしくは「とても」という意味なのかは不明でした。

成長株の特徴は、株価収益率(PER)が高くなる傾向にあります。その理由は、PERが、株価÷1株当たり純利益(EPS)で算出されることによります。

株価は未来の市場の状況を見込んだ価格になっていると言われています。特に成長している会社は、未来の期待が大きく株価に織り込まれることがあるので、PERが高く出ます。

成長株の別の特徴として、多くの成長企業は、配当を支払わないという点があります。配当を支払う会社は、株主に還元できる利益を安定的に確保できる事業を展開しています。これに対し、成長企業は「これから」であり、配当よりも株価上昇を期待することになります。

Vanguard Russell 1000 Growth ETF (VONG)

Russell 1000は、Russell 3000に含まれる上場企業の時価総額を大きい順に順位付けをして上位1,000社までを構成銘柄としています。このRussell 1000から成長株を抜き出して、運用を行うのがVONGとなります。

基本情報

では、このVONGの基本情報を確認します。

VONG
設定日2010年9月20日
経費率0.08%
総資産105億ドル
銘柄数503
インデックスRussell 1000 Growth Index
引用:Vanguard(2022年2月28日時点)

指数:Russell 1000 Growth Index

VONGは、Russell 1000 Growth Indexに連動を目指しています。

この指数に選定されるための基準は、FTSE Russellが以下の様に設けています。

  • 高いPBR(Price Book-value Ratio / 株価純資産倍率)
  • 今後二年のIEBS Forecastが高い
  • 過去五年のSPR(Sales per share)が高い

上述のInvestopediaの説明とは異なっていますが、過去の実績や将来性を見ていることが想像できます。

組入銘柄

VONGの構成銘柄は、2022年2月28日時点で503銘柄となっています。その上位十銘柄は以下の通り。

銘柄構成割合(%)
Apple Inc.12.30%
Microsoft Corp.10.80%
Alphabet Inc.6.50%
Amazon.com Inc.6.40%
Tesla Inc.3.40%
NVIDIA Corp.2.80%
Meta Platforms Inc.2.40%
Visa Inc.1.80%
Home Depot Inc.1.60%
Mastercard Inc.1.50%
データ引用:Vanguard(2022年2月28日時点)

銘柄を眺めると、創業から十年単位で時間が経過し、成熟している会社も見受けられます。特に、VisaやMastercardも、成長株として扱われているのが驚きです。

セクター構成

セクター構成を、Russell 1000との連動を目指すVONEと比較します。

テクノロジーの割合が最も大きく、一般消費財と続くように、各セクターの順が大きく入れ替わっていることはないのですが、VONGのテクノロジーが半分近くと、偏りが大きいことが分かります。

データ引用:Vanguard(2022年2月28日時点)

VUGに似ている?

ここまでVONGを見てきて、ふと思ったのが「あれ、VUGに似ていないか?」

過去の記事でVUGについて触れていますが、QQQほどの上昇ではないものの、VUGもテクノロジー銘柄で構成されています。そんなVUGとの比較をしてみます。

基本情報比較

まずは、基本情報です。

VUG方が設定日が古く、経費率が低く、総資産は一桁異なるほどの大きさです。また銘柄数はVONGの500に対して、VUGは半数強と少な目です。

連動を目指す指数の名称を見ると、両ETFとも「Growth」が含まれています。

VONGVUG
設定日2010年9月20日2004年1月26日
経費率0.08%0.04%
総資産105億ドル1,622億ドル
銘柄数503265
インデックスRussell 1000 Growth IndexCRSP US Large Cap Growth Index
引用:Vanguard(2022年2月28日時点)

組入銘柄比較

続いて組入銘柄を見てみます。上述の通り、VUGの銘柄数はVONGの半数強です。

上位銘柄は順位まで全く同じ。両ETFとも上位十銘柄で全組入銘柄の半数を占めるという点も似ています。

VONG組入銘柄構成割合(%)VUG組入銘柄構成割合(%)
Apple Inc.12.30%Apple Inc.12.60%
Microsoft Corp.10.80%Microsoft Corp.11.00%
Alphabet Inc.6.50%Alphabet Inc.7.60%
Amazon.com Inc.6.40%Amazon.com Inc.6.50%
Tesla Inc.3.40%Tesla Inc.3.40%
NVIDIA Corp.2.80%NVIDIA Corp.2.80%
Meta Platforms Inc.2.40%Meta Platforms Inc.2.40%
Visa Inc.1.80%Visa Inc.1.70%
Home Depot Inc.1.60%Home Depot Inc.1.60%
Mastercard Inc.1.50%Mastercard Inc.1.60%
データ引用:Vanguard(2022年2月28日時点)

更に、全銘柄で重複を調べてみると、208銘柄がVONG、VUGに組み入れられており、VUG銘柄の八割がVONGに含まれています。

セクター構成比較

セクター構成を比較すると、非常に似通っていることが分かります。

成長株への投資という事を考えると、テクノロジーが半分を占める点も共通しています。

データ引用:Vanguard(2022年2月28日時点)

株価推移比較

2022年3月25日時点の株価は以下の通りです。

  • VONG:70.92ドル
  • VUG:285.59ドル

単なる株価で比較するとVUGの方が高額になっていますが、その成長の軌跡をVONGの設定日である2010年9月まで遡って比較をすると、VONGの方が高パフォーマンスを示すことがありながらも、両ETFとも、その線はほぼ重なっています。

Yahoo! Finance(緑:VONG、青:VUG、2010年9月20日からの推移、2022年3月25日時点)

成長株への投資は過去を振り返るとすごかった

VUGと比較をしながら、VONGを見てきました。

成長株に投資をするETFという点、また上位組入銘柄の顔触れを考えた時に、継続的に成長をしてきており、特に直近数年の成長は著しいものがあります。

ETFなので、その時々の成長企業が組み入れられていくことは理解できますが、今後はどのようになっていくのか、どんな成長の線を描くのかは想像し難いです。

このようなETFは時間に余裕がある人が定期的に買い付けていくのが適切で、退職金などの一時金をまとめて投資するのには向いていないと考えています。

勿論、最終的には自身の資産や運用状況、方針に依存をするため、投資の前の調査は忘れずに行って判断をしてください。