はじめての投資 9-3. 投資信託「THE 5G:次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」とQQQの構成銘柄を比較

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「投資をしよう!」と思ったあなたに、細かい説明を極力省略して簡潔に説明をする「はじめての投資」です。


投資信託商品にどのようなものがあるのかを、ランキング比較で紹介し、買われている投資信託商品は信託報酬が高いことに着目しました。

信託報酬が高い投信信託の中で「THE 5G:次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」を取り上げ、目論見書や運用報告書からの情報を確認したのが前回。

前回の記事でカバーしきれなかった、THE 5Gのポートフォリオを今回はQQQとの比較をしながら見ていきます。

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THE 5Gのポートフォリオ

上位十銘柄

2020年1月7日付の運用報告書と2025年1月7日付の運用報告書で上位十銘柄を並べると五年で銘柄が変わっていることが分かります。

2024年は、見覚えのある半導体やテクノロジー関連銘柄が上位に入っています。

銘柄(2019年5月31日)構成比銘柄(2024年5月31日)構成比
Altice USA, Inc. Class A3.55%NVIDIA Corp.5.71%
Keysight Technologies Inc3.53%Amazon.com, Inc.4.65%
Xilinx, Inc.3.51%Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.4.65%
Zebra Technologies Corporation Class A3.49%Meta Platforms Inc Class A3.91%
Qorvo, Inc.3.48%Renesas Electronics Corporation3.70%
Analog Devices, Inc.3.45%ARM Holdings PLC ADR3.46%
Motorola Solutions, Inc.3.33%MediaTek Inc3.33%
Cisco Systems, Inc.3.17%Vertiv Holdings Co. Class A3.26%
Palo Alto Networks, Inc.3.14%Microsoft Corporation3.16%
T-Mobile US, Inc.3.09%Broadcom Inc.3.03%
THE 5G運用報告書を基に作成

THE 5G:国別構成

THE 5Gは世界中に投資を行っており、2024年5月時点では、三分の2が米国で、台湾、日本と続きます。五年前と比較すると国の数は絞られています。

THE 5G運用報告書を基に作成

この構成割合が歪かを検証するのに、MSCI World Index*と比較します。

*MSCIのFact Sheet Searchページで「World Index」でキーワード検索すると最新版が閲覧できます。

MSCI World Indexは日本を含む先進国の大型株と中型株を対象にした指数で、投資対象の性格上、先進国が中心となるTHE 5Gの国別構成に対して、参考程度にベンチマークにはなりそうです。

2025年2月28日時点の資料では、米国が72.92%と四分の3近くあり、日本が5.23%、英国が3.63%と続きます。MSCI World Indexの資料ではアジアの国々はおそらく「その他」に含まれている模様で、その他の割合は12.46%です。

THE 5GとMSCI World Indexを構成する会社数が全く異なるので、あくまでも参考の比較となりますが、米国に偏っている事自体は、それほど歪でもなさそうです。

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代用としてQQQ / NASDAQ100の投資信託はありか?

THE 5Gは複数国に渡り、半導体や通信、インターネットなどのテクノロジー関連企業に投資していることが分かりました。

しかしTHE 5Gで引っ掛かるのは、高い信託報酬です。コツコツと投資信託を積み立てていくのにはどうしても、このコストの高さが気になります。

そこで、テクノロジー関連が多いNASDAQ上場企業で構成されるNASDAQ100に投資しているQQQ、もしくはNASDAQ100を対象とした投資信託商品が代用にならないかを調べます。

以降は、QQQとiFree NEXT NASDAQ100の情報を基に掲載していきます。

上位十銘柄比較

QQQの上位十銘柄は、2025年3月6日現在のものです。QQQは101銘柄で構成され、上位十銘柄で約半分を占めます。THE 5Gは54銘柄で上位十銘柄の構成割合は四割弱です。

QQQ 銘柄構成比THE 5G 銘柄構成比
Apple Inc.9.63%NVIDIA Corp5.71%
Microsoft Corp7.99%Amazon.com, Inc.4.65%
NVIDIA Corp7.33%Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.4.65%
Amazon.com Inc.5.71%Meta Platforms Inc Class A3.91%
Broadcom Inc.3.75%Renesas Electronics Corporation3.70%
Meta Platforms Inc.3.71%ARM Holdings PLC ADR3.46%
Costco Wholesale Corp3.03%MediaTek Inc.3.33%
Alphabet Inc. (Class A)2.73%Vertiv Holdings Co. Class A3.26%
Alphabet Inc. (Class C)2.61%Microsoft Corp3.16%
Tesla Inc.2.59%Broadcom Inc.3.03%
49.08%38.86%

重複銘柄

THE 5GとQQQで重複している銘柄は23ありました。ただしデータの基点が異なるのて、飽くまでも参考値です。重複している銘柄は以下の通り。

重複している銘柄で各々の投資信託、ETFの半分近くを占めます。しかし銘柄ごとの構成割合は異なる上に、残りの銘柄は全く別物であるため、似てそうで、似てないと言えます。

銘柄THE 5Gでの構成割合QQQでの構成割合
NVIDIA Corp5.71%7.33%
Amazon.com, Inc.4.65%5.71%
Meta Platforms Inc.3.91%3.71%
ARM Holdings3.46%0.10%
Microsoft Corp3.16%7.99%
Broadcom Inc.3.03%3.75%
T-Mobile US, Inc.2.84%2.03%
QUALCOMM Inc.2.76%1.15%
Advanced Micro Devices, Inc.2.65%1.07%
ASML Holding NV1.65%0.42%
Palo Alto Networks, Inc.1.64%0.78%
Intuitive Surgical, Inc.1.57%1.28%
Cadence Design Systems, Inc.1.54%0.44%
Micron Technology, Inc.1.30%0.66%
Lam Research Corp1.29%0.66%
Analog Devices, Inc.1.29%0.74%
DoorDash, Inc.1.21%0.47%
Datadog Inc.0.90%0.23%
DexCom, Inc.0.87%0.21%
Take-Two Interactive Software, Inc.0.84%0.24%
Workday, Inc.0.70%0.36%
AppLovin Corp0.53%0.52%
Texas Instruments Inc.0.29%1.15%
47.79%41.00%
銘柄はTHE 5Gでの構成割合の降順で記載。THE 5Gは2024/5/31日時点、QQQは2025/3/5時点。

まとめ

銘柄を中心に比較をしてきましたが、ここで各商品について並べてみます。

THE 5GQQQiFree NEXT NASDAQ100
投資商品投資信託ETF投資信託
つみたてNISA不可不可不可
投資対象*Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged ClassNASDAQ100NASDAQ100
投資対象銘柄数54101101
信託報酬**年率1.848%(税込)年率0.2%年率0.495%(税込)
各社目論見書から作成
  • *投資対象は分かり易くするための表記
  • **QQQは非課税

そして、パフォーマンスも比較します。THE 5Gの設定日となる2017年12月15日から2025年3月7日までの騰落率です。

  • THE 5G:+250%
  • QQQ:+311%
  • iFree NEXT NASDAQ100:+253%(設定日が2018年8月31日で、それ以降の騰落率)

QQQ / NASDAQ100の投資信託はTHE 5Gの代用となるでしょうか。

銘柄の重複は一定あります。しかし、第五世代移動体通信というテーマにこだわり、銘柄選定をしたいという目的では、NASDAQ100の銘柄はテクノロジー系が多いとはいえ航空株、飲料株などが含まれます。

そのノイズが邪魔であればQQQやiFree NEXT NASDAQ100などの投資信託は代用になりにくいでしょう。

しかし、そこまでして銘柄にこだわるかも、考えどころです。2025年時点ではパフォーマンスはQQQの方が良好です。その中で、コストを含め投資目的に適っているかが大事な要素となります。

私はインデックス+α

前回、今回と二回に渡り、THE 5Gという今まさに熱い投資対象で運用する投資信託商品を見てきました。

プロのファンドマネージャー厳選の銘柄に投資をしているとは言っても、高額な信託報酬を支払わずとも、それ以上のパフォーマンスを上げているインデックス投資で充分であると考えています。

退屈な投資にスパイスを入れるのであれば、運用会社の資料を参考にして、現在のインデックス投資に個別銘柄の売買を追加するというのは、推奨される方法ではありませんが企業研究という面でありかもしれません。

あくまでも投資は自己責任なので、ご自身の判断でお願いします。