塩漬けの楽天ETF日経ダブルインバース(1459)は損切しかないと思った(ゆっくり解説動画あり)

投資

昨年の株式暴落時に、そのような環境下でも利益を出すことは出来ないかと考え、インバース(ベア)型のETFを買い付けました。買ったのは、楽天ETF日経ダブルインバース(1459)。

三月上旬に買付けて、日経平均が下がった時を狙って売却。ここで僅かながら利益が出たことが不幸の始まり。

欲の皮が突っ張り、三月下旬に再度購入。購入後、株価が下がることはありませんでした。

そのまま、この楽天ETF日経ダブルインバースを持ち続けます。年を越えても保有。

2021年2月16日には、日経平均の終値は三万円を超えています。その後、上昇することはなく、株価は上下を繰り返して推移。2021年8月には27,000円台まで下がったものの、九月に入ったら上昇しています。

気になるのは保有し続けている楽天ETF日経ダブルインバースの値動き。本ブログでは、2020年8月14日に書いた記事を最後に全く触れていませんでした。

しかしながら、追跡のためにETFと日経平均の記録は毎日つけていました。

ここで改めてどのような動きをしてきたことを直視し、戒めと今後を考えようと思い記事を認めます。

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ゆっくり解説動画

ダブルインバースを持ち続けてしまったという話を動画にまとめています。ぜひご覧ください。

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楽天ETF日経ダブルインバース(1459)とは

ダブルインバースのETFとは。

「ダブル」と「インバース」という単語で構成されていて、「ダブル」は二倍とイメージがつくでしょう。「インバース」は逆という意味です。ついでに、インバース型と言う言葉はベア型とも呼ばれますが、この「ベア」は熊のこと。

熊は攻撃をするときに手を振り下ろします。その動作から株価の下落を指す言葉になっています。

画像:ICOOON MONO

この楽天ETF日経ダブルインバースは、ある指標(原指標という)と逆の動きをする指標(対象指標という)に連動するように設定されています。名前の通り、日経平均が上昇するとETFの価格が下がり、日経平均が下落するとETFの価格が上がります。また、「ダブル」とある通り、その動きは原指標の変動率の二倍となります。つまり、日経平均の-2倍の動きです。

目論見書を読む

このETFの値動きについて説明を探すと、目論見書の後半に「追加的記載事項」という項目があります。

日経平均暴落時でも、利益を求めたい場合、この内容を理解した上で投信判断をしてください。

しかしながら、この動きは、なんとなく頭で理解できても、肌感覚としてつかむのは難しい、というのが個人的な感想です。

そこで、せっかく塩漬けにしている材料があるので、そのデータを眺めながら動きを体感したいと思います。

購入時の情報

過去の記事で掲載した日経平均チャートを以下に再掲します。約定時の日経平均は16,824.54円で、ETFの株価は6,459円でしたが、見事なまでのジャンピングキャッチ(日経平均が底値)です。

株式市場が落ち着いて順調になり、損切するタイミングを図っている内にレバレッジがかかっているETFは、あれよあれよという間に下落していきます。

TradingView提供のチャート(日経平均、2020年2~12月の株価推移)

楽天ETF日経ダブルインバースの値動き

日経平均と楽天ETF日経ダブルインバースの株価推移

さて、日経平均が比較的好調な現在、楽天ETF日経ダブルインバースの株価は2021年9月7日終値で1,511円となっています。

下記の日経平均とETFの株価推移チャートを見ていて不思議に思ったのは、「ダブル」インバースにもかかわらず、ETFの株価推移が日経平均と比較すると大人しい。楽天ETF日経ダブルインバースの折れ線グラフは、日経平均よりもさざ波程度の動きです。

日経平均、および1459の株価推移(2020年3月18日~2021年9月7日)

この値動きを基に、買付時の日経平均とETFの株価を100としてチャートを作り直しました。これで、値動きが逆になっていることを可視化できます。

吹き出しでも記載している様に日経平均が最高値をマークした時にETFが最安値になる、という訳ではないというのが興味深いです。

更に興味深いことに、日経平均は2020年3月18日から178%増となっているのに対し、楽天ETF日経ダブルインバースは、77%減となりました。この数値を見て、ETFの値下げ率が日経平均の二倍になっていないことが疑問に思えてきました。

過去の記事でも同様のチャートを作成しましたが、その当時はETFの動きが大きく描かれていました。しかし、時間が経つと動きが小幅になってきている様です。

さて、「ダブル」であるはずなのに、どういうことか。

-2倍の動きは何を示しているのか

再度目論見書に立ち戻ります。そこには以下のように記載があります。

(前略)変動率が『日経平均株価』の日々の変動率の-2倍となる様に算出されるため(後略)

楽天ETF日経ダブルインバース目論見書

つまり、ある日の日経平均が前日から3%上昇すると、楽天ETF日経ダブルインバースは前日から6%下落します。

その確認のために、日々の変動率もチャートにしてみました。日経平均を表す灰色の線は、オレンジ色のETFの線よりも短くなっています。

ここでも、楽天ETF日経ダブルインバースの株価は、きっかりと-2倍とは言い切れませんが、概ね日経平均の変動率と逆になっていることが分かります。

ETFの株価が下がれば、動きはさざ波へ

ここまで、実際のデータで三つのチャートを見てきましたが、データ量が多いので、分かりにくいと思います。

そこで、ダミーデータを用いて簡素化したチャートを再作成。改めて順に見ていきます。

上段:株価推移

「原指標」と「インバース」の株価には大きな開きがあり、株価の小さいオレンジの線のギザギザは小さいものです。

中段:変動率

「インバース」の変動率は-原指標に対して-2倍であるため、「インバース」を示すオレンジの線は、「原指標」の黒い線に対し、大きく上下に伸びます。

下段:株価:前日との差

変動率では「原指標」の動きが小幅でしたが、前日との差を金額として表すと、今度は大きな動きとなります。そのため中段の変動率とは異なり、灰色の線は薄オレンジの線よりも長くなります。

塩漬けから脱するのは不可能?

見てきた様に、日経平均が上昇すると、株価が下落するインバースETFは、その変動幅が倍となっていても、ETFの株価が低くなると株価推移は小幅になります。

現在の1,500~1,700円の水準にあると、いくら日経平均が下がっても、元の株価に戻ることは、ほぼ不可能のように感じてきました。

ここで、スプレッドシートで数字遊びをしてみます。

下記試算は日経平均が急落して20,000円を切ったとしても、ETFは3,000円を超えるのがやっと。購入時の6,459円には程遠い。

未来は誰にも分からないので、大事件が発生して大暴落が起きるかもしれません。ただ、それが実現してしまうと、他に保有している資産へのダメージが非常に大きいので、そのような未来を願うの止めます。

ここは素直に、もっと早く損切をしておけばよかったと反省をします。

投資日本株
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