はじめての投資 11. 米国株を買いたい – The Coca-Cola Company (KO)(動画解説あり)

はじめての投資

「投資をしよう!」と思ったあなたに、細かい説明を極力省略して簡潔に説明をする「はじめての投資」です。


このシリーズでは投資が初めての人に向け投資信託を中心に話を進めています。理由は、地味だけど時間を味方につければリターンを得られる可能性が高いからです。

しかし、

  • 「投資信託だけではなく、個別株にも挑戦してみたい」
  • 「でも銘柄をどの様に選べばよいのか分からない」
  • 「初めてなので大金を注ぎ込むのは怖い」
  • 「配当金を受け取ってみたい」

という心の叫びが聞こえてきそうです。

イラスト:Loose Drawingに台詞追記

そこで、少額で購入出来て、配当金も支払われ、企業経営が安定していそうな銘柄を紹介して銘柄、企業研究のきっかけになってもらえればと思います。

その銘柄は、The Coca-Cola Company (KO) です。

【注意】本銘柄は推奨でも、投資指図でもありません。企業の財務状況やビジネス内容を調べ、ご自身の責任で投資判断を下してください。

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まずは動画で予習

米国株式の特徴をまとめた動画を作成しています。ぜひご覧ください。

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米国株投資のメリット

まず、米国株の銘柄を挙げた理由を三つ。

強い企業へ投資

米国企業と聞いてどんな名前を思い浮かべるでしょうか。

アップル、アマゾン、マイクロソフト、マクドナルド、P&G、ジョンソン&ジョンソンなど、多くの人が知っているでしょう。

これら企業は本国の米国だけではなく、日本を含め海外でも事業を行い、大きなシェアを持つ会社もあります。

日本でも、トヨタやコマツ、日本電産など優良企業はありますが、より強い会社に投資をすることができます。

イラスト:いらすとや

投資環境

かつては米国株への投資は現在ほど気軽ではありませんでした。しかしながら現在、日本のネット証券では手数料も低廉になり、取引の環境もかなり整ってきています。

例えば、マネックス証券のCMを目にしたことがある方もいるでしょう。マネックス証券は米国株投資家を積極的に取り込もうとしています。

つまり、日本株の取引と同じように米国株取引の環境が用意されてることがひとつめの理由です。

少額で投資可能(単元株数)

単元という単位が株式取引の世界にあります。

売買する単位、売買単位のことを一単元と呼び、この整数倍で取引をします。

これは各社が定め、日本では多くの上場企業は100株を単元としています。対して米国では、一株を単元としている企業が殆どです。

どういう事かというと、日本株では「3株だけ購入」ということができないケースに遭遇します。例えば、任天堂の一単元は100株。2021年4月16日時点で株価は65,160円なので、任天堂の株を買おうと思うと650万円以上用意する必要があります。

米国株のアマゾン (AMZN) は株価が高いことで有名で、2021年4月16日時点で3,399.44ドルです。しかし、一単元が一株。つまり一株から購入可能なので、資金は35万円程度で済みます。(実際はClass A、Bと議決権の有無で値段が異なる株があります。バークシャーハサウェイのClass A株は一株4,000万円ですが、ここで詳細は触れません。)

日本株では単元株未満の株を取引することも可能ですが、別に証券会社の口座を用意する必要があったりなど、株式の買いやすさを考えると、米国株に軍配が上がります。

米国株投資のデメリット

当然の事ながら、米国株は買いやすいという特長だけではありません。米国から見て外国となる日本から買うと特有のリスクもあります。まずは為替リスクと税金です。

為替リスク

日本から米国株を買うには持っている日本円を米ドルに替える必要があります。逆に持っている米国株を売却。得た現金を日本で使いたい場合は、米ドルから日本円に戻さなければなりません。

この時の為替によっては想定よりも利益が得られない、という事が発生します。

ある銘柄の株式を90ドルで10株購入。レートは1ドル=110円だったとします。この株が100ドルになった時に売却しますが、その時のレートによって日本円での受取額が異なります。(手数料や税金は考慮せず)

シナリオ1:売却時のレートも1ドル=110円

  • 購入時費用:90ドル X 10株 X 110円 = 99,000円
  • 売却時受取:100ドル X 10株 X 110円 = 110,000円
  • 利益:11,000円

シナリオ2:売却時のレートが1ドル=105円

  • 購入時費用:90ドル X 10株 X 110円 = 99,000円
  • 売却時受取:100ドル X 10株 X 105円 = 105,000円
  • 利益:6,000円

シナリオ3:売却時のレートが1ドル=100円

  • 購入時費用:90ドル X 10株 X 110円 = 99,000円
  • 売却時受取:100ドル X 10株 X 100円 = 100,000円
  • 利益:1,000円

株価の上昇と共に円高になっていると、日本円での受取額も少なくなります。試算と実際に手元に残る金額が異なることがありますので、将来得られる利益について、レートの不確実性は留意点です。

更に、証券会社によっては日本円と米ドルの両替で手数料が発生するため、その点も考慮しておいた方が良いです。

例えば、銘柄Aを買うために、日本円から米ドルにドル転します。銘柄Aの利益を確定させるために、売却。その時点で日本円に戻すことも可能ですが、為替手数料がかかります。

もしも、別の銘柄Bや銘柄Cを買う予定があれば、ドルのまま持っておけば、為替手数料の節約になります。

税金

配当金が支払われる株式の場合、手元に残る配当金が企業発表の金額よりもかなり少なくなります。これは配当金が米国と日本の両方で課税されることによります。

  • 米国:10%
  • 日本:20.315%(東日本大震災の復興税0.315%を含む)

手取りは支払われる配当金の七割程度になります。

ただし、この二重課税は確定申告で一部を取り戻すことができます。

英語

デメリットとは言いたくないものの、英語がハードルになる可能性はあります。

証券会社は日本語で情報を提供していますが、様々な生の情報を得ようと思うと、英語情報の量と質は上がります。

この後説明する情報取得でも、米国のYahoo! Financeを使って説明していきます。

銘柄・企業情報をどこで得るか?

米国株の情報はどこで得ればよいでしょうか。

日本のヤフーファイナンスでも取得可能ですが、ここでは私が普段使用し、本ブログでも画像引用をしている米国のYahoo! Financeで説明します。

Yahoo! Finance ( https://finance.yahoo.com/ )にアクセスすると、上部に検索窓が表示されます。

この検索窓にアルファベットで会社名を入力します(「アップル」ではなく「Apple」)

もしくは、ティッカーコードを知っていればそのコードでも検索可能です。「暗号みたいなコードなんて知らないよ」と思うかもしれませんが、慣れてくれば自然と覚えているのでご安心を。

画像引用:Yahoo! Finance

例えば、検索窓に「Coca cola」と入力すると、候補として「KO The Coca-Cola Company」が出てきます。それを選択すると銘柄情報が表示されます。

表示されたら、ざっと情報を見てみましょう。

  1. 現在の株価
  2. ベータ:株価の動きの激しさを表す。数字が小さいほど株価の動きは小さくなる。閾値の目安は1と言われる。
  3. 予測配当と利回り:年間の配当額予測と配当利回り。
  4. 株価チャートの表示期間:下図では五年を選択している。
Yahoo! Finance(KO概要)

上記以外にもPER(PE Ratio)、時価総額(Market Cap)や配当の権利確定日(Ex-Dividend Date)など様々な情報が画面に集約されています。

下にスクロールすると、銘柄・企業に関連するニュースを見ることが出来ます。

The Coca-Cola Company (KO)

今回、The Coca-Cola Company (KO) (以下、コカ・コーラ)を紹介することにしたのは、株価の動きが激しくなく、配当金も支払われる。何より、時価総額が20兆円にも及ぶ企業が潰れるとは考えにくいという理由です。

株価の動きが激しくないのは、上述の「ベータ」が0.62と小さい数値です。実際に上図のチャートを見ると、この五年間40ドルから50ドル台半ばを推移しています。

配当利回りは2021年は3.13%を想定。3%を超えていれば、悪くない水準と言えるでしょう。

加えて、PE Ratioは29.99%で業種平均を下回り悪くない水準にあります(業種平均は30%台半ば。)

株価変動に心を動かされることなく、一株五千円台という手ごろな値段の株を毎月買い増すことも出来そうです。

つまらない株だけど

見る人によっては、コカ・コーラは値動きも大人しく派手な要素がないため、つまらない株と感じるかもしれません。しかし、配当金を出し続けて58年も増配している銘柄です。

それでも面白そうなハイテク銘柄に興味があるというのであれば、Apple (AAPL) を見てみましょう。

一株が100ドル台と手ごろに感じますが、値動きは決して大人しいものではなく、配当利回りも0.61%と無いよりはマシというものです。

長期で値上がり益を狙う銘柄としてふさわしいものの、途中で遭遇するであろう下落とどう付き合うかが勝負になると思います。

Yahoo! Finance(AAPL概要)

今回はコカ・コーラを紹介しました。

繰り返しですが、本記事は推奨銘柄でも投資指図でもありません。

ご自身で銘柄、企業研究を行った上で投資判断を下してください。この記事が調べるきっかけになれば嬉しいです。