確定申告で米国株配当の現地徴収分を取り戻したい – 令和二年分確定申告 外国税額控除

投資

国税庁のサイトでは、令和二年(2020年)分の確定申告の申告書作成ページが開設されています。

これまで二月に入ってから申告書を作成していたのですが、昨年から一月中に作成、データ送信をするようにしたら、還付金の振込みも早いことを知り、一月中にするメリットの大きさを感じています。

巷では二月半ばくらいに確定申告の話題が上がります。今回は2021年4月15日が締切で、二月後半から確定申告の文字を見かけるようになっています。

来年以降は一足早く作業をすることをお勧めします。

ちなみに、2020年分の還付金は、2021年1月30日にデータ送信をして、2月16日に振り込まれました。三週間という早さです。

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この記事は備忘録

昨年も米国株の配当金の還付を受けているものの、どのように申告書を書いたのか記憶がありません。

そのため、この記事の目的は今回の確定申告での記載内容を記録した備忘録で確定申告書類作成チュートリアルではないです。また、個人で調べながら申告書作成と記事作成をしていることもあり正確性を完全に担保するものではないことをご了承ください。

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米国配当金に対する課税

復習です。米国株の配当金については二重課税となります。

  • 米国:10%
  • 日本:20.315%

これら税率では配当金の手取りは額面の7割強となってしまうので、少しでも還付を受けたいですね。

確定申告書類作成

国税庁のサイトから確定申告特集のページに移動すると、確定申告書類の作成ができます。

なお、スクリーンショットに入力済みの情報は一部ダミーです。

1. 申請書作成準備

申告書作成を始めると、「申告書の作成をはじめる前に」という画面が表示されます。

ここでは、生年月日の入力と申告内容に関する質問の回答が求められます。生年月日は出生の秘密があるわけでもないので、迷わず入力。

そして、申告内容に関する質問は現在サラリーマンをしているため、以下のように回答。

  • 給与以外に申告する収入はありますか?:はい
  • 税務署から青色申告の承認を受けていますか?:いいえ
  • 税務署から予定納税額の通知を受けていますか?:いいえ

2. 収入金額・所得金額の入力

令和二年(2020年)の収入情報を入力します。

「総合課税の所得」にある「給与所得」には源泉徴収票を基に情報入力。

そして受け取った配当金情報は「分離課税の所得」にある「上場株式等に係る配当所得等」をクリックして入力。

ここでは分離課税から選択していますが、「総合課税」または「分離課税」のどちらを選択するかについては、次項で触れます。

3. 金融・証券税制(入力項目の選択)

配当金額の入力画面に行く前に、いくつかの情報を入力する必要があります。

ちなみに、前項のスクリーンショットで「総合課税の所得」の「配当所得」からでも、遷移する画面は同じです。

1. 配当所得の課税方法の選択

ここで「総合課税」か「申告分離課税」のどちらかを選択します。

「総合課税」は他の所得と合わせた課税。「申告分離課税」は他の所得と分離しての課税となります。

サラリーマンの場合、年収と所得税率を参考に決めるのが良いでしょう。まず、年収に対する所得税率の一部を抜粋すると以下のようになります。

  • 195万円超~330万円以下:10%
  • 330万円超~695万円以下:20%
  • 695万円超~900万円以下:23%
  • 900万円超~1,800万円以下:33%

どういうことかというと、所得税は累進課税です。つまり所得に応じて税率が変わります。

そのため「総合課税」を選択した場合、収入が大きくなると税率が高くなります。一方で、株の譲渡益や配当金の税率は固定であるため、分離課税を選択した方が節税できることがあります。

選択の目安は、所得が695万円よりも低い場合は「総合課税」、高い場合は「申告分離課税」と言われています。ただ、これはご自身で税額、還付額を算出して判断してください。

2. 株式等の売却・配当・利子等の入力

続いて、上記画像のオレンジ枠にある「特定口座年間取引報告書の内容を入力する」という緑のボタンをクリックします。

ここで、証券会社から発行された特定口座年間取引報告書を用意しておきます。

クリックすると下記の画面に移動します。

移動後の画面で再度選択が待っていますが、今回はPDFの特定口座年間取引報告書を見ながら情報を手入力するため「書面で公布された特定口座年間取引報告書の入力」をクリック。

クリックすると、入力画面が表示されます。

「1. 口座情報の入力」は以下の通り入力。

  • 源泉徴収の選択:1 有
  • 勘定の種類:1 保管と3 配当等

下にスクロールして、証券会社から発行されている特定口座年間取引報告書の情報を「2. 配当等の額及び源泉徴収税額等の入力」に入力していきます。

画面の項目とPDFに掲載されている内容は対応しているので簡単に入力できます。

入力後、更に下にスクロールして「3. 金融商品取引業者等の入力」に証券会社の情報を入力します。

最下部の表には、上部で入力した情報が表示されるので情報に間違いがなければ、「入力終了(次へ)>」の緑のボタンをクリックして完了。

令和元年分の申告で上場株式等に係る譲渡損失の金額を繰り越した方

「金融・証券税制(入力項目の選択)」画面に戻ったら、更に下にスクロール。

過去の損失を繰り越す場合は「はい」を選択して、「繰り越された譲渡損失を入力する」をクリックします。

繰り越された損失の入力時には、過去の確定申告書類を用意しましょう。

4. 税額控除・その他の項目の入力

「金融・証券税制(入力項目の選択)」の入力が完了し、次の画面に移動すると税額控除の入力をすることができます。

米国株式の配当金に対する控除は、オレンジ枠の「外国税額控除等」です。

外国税額控除の入力

「外国税額控除の入力」画面に移動したら、選択肢がふたつあります。

今回は計算が済んでいないので、「外国税額控除額の計算がお済みでない方」を選択。

選択すると、表が表示されるので入力。

銘柄ごとの入力ではなく、特定口座年間取引報告書を参照して合計金額を入力します。楽天証券の場合は「特定上場株式等の配当等 国外株式又は国外投資信託等」という項目にある合計額を見ます。

ここで忘れてはいけないのは、上記スクリーンショットにある「2 調整国外所得の計算」へ金額を入力することです。

ただ、何を入力すればよいのか分からなかったので、「→調整国外所得金額とは」をクリックして説明を読んでみました。

私には難解でしたが、「米国株式の配当金額の合計を入力しろ」と理解。配当金額合計を入力してもエラーはなく入力完了。

後で調べてみると、日本国外の所得が米国株の配当金だけであれば、その金額で大丈夫のようです。

しかし、これで終わりではありません。

更に下へスクロールすると「3 外国所得税額の繰越控除余裕額又は繰越控除限度額の計算」というところで、「令和3年1月1日時点の住所は政令指定都市に該当しますか?」という質問に「はい」か「いいえ」で回答します。

また、下の「前3年以内の控除余裕額の計算」は過去の確定申告書類を見て記載をしています。

まだ続きます。

スクロールしていくと「4 前3年以内の所得税の控除限度額等」の入力項目があります。

詳細の説明は国税庁のサイトにあります。こちらも過去の確定申告書類を参考にして入力します。

ここまで入力すると「入力終了(次へ)>」の緑のボタンがありますので、それをクリックして入力完了となります。

以降、還付に必要な情報を入力していきますが、本題に直接関係ないため省略します。

還付はどれくらい?

米国株の配当金に対する課税還付を受けると、確定申告の手間の割には戻ってくる金額は少ないこともある、という話を聞いたことがありました。

しかしながら、ふるさと納税や医療費控除など年末調整の他に確定申告が必要なものが毎年発生しているため、一緒に配当金に関する手続きをすれば手間ではありません。そして、還付金が増えるのは嬉しいことです。

今回あらためて、どれくらい還付されるのかを確認してみたところ、米国での課税額に対し85%程度が戻ってくることが分かりました。

当然の事ながら所得額や配当額によるので、この金額は個人によって異なることは注意が必要です。

満額が戻ってくることはないものの、雀の涙という訳でも無く、私はこの手続きをするのは良いことだと思います。

また、源泉徴収票に真正面から向き合うため、自分がどれくらいの税金を納めているのかを実感できます。税金だけはなく、社会保険もとても高額であることを実感出来たり、納めた税金が「あんな風」「こんな風」に使われていることにも怒りを覚えたりするので、おススメです。