米国上院で中国企業の上場廃止になり得る法案が可決、QQQへの影響は?

投資
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法案の可決は突然ではない

2020年5月20日、米国の上院が米国証券取引所での上場について、企業が外国政府の管理下にないという証明を求める内容の法案を可決しました。

具体的には、企業が外国政府の管理下にないことを証明できない、もしくは米公開会社会計監督委員会(PCAOB)が三年連続監査しても、外国政府の管理下にないと断定できない場合、その企業の上場が禁止されるというものです。

ニュースでは中国企業を対象としていると報じられています。新型コロナウイルスで突如湧き上がったようにも見えますが、ここに至るまでの経緯があります。

米国市場に上場している中国企業の財務諸表が米国の監査監督当局により検証できないということは過去から議論され、懸念事項となっています。米国の当局による検証は20か国以上で合意がされていますが、中国とは合意に至っていません。

2019年、米国の監査監督当局が財務諸表を検証できない中国企業を上場廃止にする法案も提出され、2019年末には米国と中国の間で協議が行われました。

今年に入り、新型コロナウイルスが世界に蔓延し、中国に対して厳しい対応を続けている米国はこのような形で法案の上院可決をさせたことになります。最後に大統領のサインで法案成立(詳細は割愛)となりますので、この後も成立に向けて手続きはあります。

PCAOBのデータによると財務諸表を検証できない企業は224社あり、95%に相当する213社が中国企業とのことです。

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NASDAQも対応

上記法案が上院で可決される二日前の5月18日、NASDAQも海外企業の新規上場ルールの厳格化を発表しています。その内容は、新規上場開時に最低2500万ドル、ないしは時価総額の最低4分の一に相当する金額を上場後に調達することを義務付けるというものです。

このルールは、中国の小規模の企業による上場を抑制するため、NASDAQが2019年から上場基準を厳しくしてきたものの一環です。恐らく、より厳格化された新規上場ルールの発表は、四月に判明したLuckin Coffeeの売上偽造の流れも汲んでいると思われます。

中国企業がNASDAQから撤退を示唆?

5月21日にロイターが独占記事として、中国のバイドゥがNASDAQから上場をやめることを検討していると報じました。この時点では詳細は分からず、確定情報でもありません。NASDAQから引き揚げ、地元に近い取引所で株式上場をすることを考えているという程度の内容です。

また、他のNASDAQ上場の中国企業で、ポータルサイトや越境EC、ゲームなどを運営するNetEaseとECを展開するJD.comが2020年6月に香港取引所に上場する準備をしているというニュースがあります。

QQQへの影響

米国の取引所に上場している中国企業は、U.S.-China Economic and Security Review Commission(USCC)のサイトで確認できます。2019年2月25日時点で156社が上場しています。

QQQに含まれる中国企業

この156社のうち、NASDAQ100指数に含まれる、つまりETFのQQQに含まれる銘柄を調べます。

2020年5月22日付の情報では、QQQは103銘柄で構成されています。先ほどの米国取引所に上場している中国企業のリストとQQQのリストを付け合せました。USCCの情報と時差があるので、漏れがある可能性はあります。

  • バイドゥ(0.299%)
  • NetEase(0.285%)
  • JD.com(0.485%)

上記で触れた会社が見つかりました。括弧内の数値は構成割合です。

そして、これら三社のADR(米国預託証券)がQQQで運用されています。

三社の構成割合合計は1%強です。QQQは下記にある上位十銘柄で54%を占めているので、これら三銘柄の影響は大きくありません。

  • Microsoft
  • Apple
  • Amazon.com
  • Facebook
  • Alphabet(議決権ありのクラスAと、議決権なしのクラスC)
  • Intel
  • NVIDIA
  • Cisco Systems
  • Netflix

QQQの株価推移

更に影響がないことを確認するために、5月18日週の株価を振り返ります。

Yahoo! Finance

バイドゥ、NetEase、JD.comの株価推移は上下変動が激しく、22日の寄り付きは下落で始まっています。

一方で、QQQは大きな変化はなく株価が推移しています。ここからも、構成割合が小さいことからQQQへの影響は殆どないと見えます。

ただし、今後の状況によっては、何がどのように影響を与えるかは分かりません。長期投資を継続するためには、動揺、狼狽をしないようにしたいものです。