アクティビジョンの決算は良くても株価は乱高下

ビジネス

2020年7月24日にアクティビジョン・ブリザード(ATVI、以下アクティビジョン)株を78.68ドルで購入しました。

第2四半期の決算が発表される8月4日まで株価は上昇していました。

決算内容は良かったものの、発表翌日の五日は下落。六日に盛り返したと思ったら七日に大幅な下落。

何があったのか頭の中は疑問符が巡っていました。

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アクティビジョン第2四半期決算

アクティビジョンの第2四半期決算は良いものでした。

収益は19.3億ドルで前年同期比で38%増。同社は収益よりもNet bookingというゲームやライセンス等の受注額を指標にしていて、この額が20.8億ドルに達しています。前年同期比では72%増という驚異的な数字でした。

NPDという調査会社によると、新型コロナウイルスの影響で米国のゲーム人口は2億4400万人と四人に三人がゲームをしているというゲーム人口増加のデータに加え、アクティビジョンのゲームである「コールオブデューティー」の予約が好調など、追い風があったことによる決算と言えます。

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アクティビジョン株価推移

先に決算が発表されたエレクトロニックアーツの株価上昇が、アクティビジョンの株価の動きを予想させていました。

決算の発表前の七月下旬から上昇していた株価は、決算発表で止まり、米国政府の発表で下落に転じています。

Yahoo! Finance(ATVI株価にメモを追加)

8月7日の終値は82.47ドルで購入価格を上回っているものの、「こんなことがあるのか…」と驚いたのは上記チャートにある、大統領令が影響しています。

米国の対中政策

米国の対中政策が矢継ぎ早に打ち出されています。

ニュースなどで、TikTokなどの中国製アプリの排除を取り上げられていますが、これも政策の一つとなります。上記を含めいくつか記載します。

米国政策の流れを見ると、通信関連で国内を守るために信用できないものを入れないように国をまたいで対策を打ってきています。

このような動きの中で、特定の企業に対する大統領令が発令され、米国企業にも影響が出たのが8月7日の金曜日。影響があった米国企業の中にアクティビジョンが含まれます。

アクティビジョンへの影響

米国のニュースを見ていると、今回の大統領令の中で「ややサプライズ」として挙げられていたのが、TikTokを運営しているバイトダンスだけではなく、WeChatを提供しているテンセントも取引を禁じる対象に含まれていたことです。

ただし、ポンペオ国務長官が8月3日に、TickTokに加え、WeChatにも言及していたので、私はこのニュースを見落としていましたので、私にとっては完全にサプライズでした。

WeChatは名前は聞いたことがあるかもしれません、チャットアプリです。LINEが広く浸透している日本では日常的に使っている日本人は限定的でしょう。

LINE以外のチャットアプリとして、欧米や東南アジア等に友人・知人がいる場合はWhatsAppを使うこともあり、「米国でなぜWeChatが対象となるのか」と疑問を抱くかもしれません。これについて詳しく説明している方がインターネット上にいるのでその方たちに譲ります。

このテンセントが対象となったことによる米国企業への影響が取り上げられました。

分かり易いものは、AppleのAppストアやGoogleのPlayストアで、これらのストアで取扱いができなくなることです。

加えて、テンセントは複数の米国企業の株式を保有しています。有名なものではテスラ株で、2017年のニュースによると、5%のテスラ株式がテンセントに保有されています。

ここで、ようやく出てくるのがアクティビジョンで、テンセントはアクティビジョン株もテスラと同様に5%保有しています。

更にテンセントはアクティビジョンのコールオブデューティーに関してフランチャイズを持っており、Call of Duty Mobileを昨年にリリースしています。

現時点では大統領令の「取引停止」の内容が明確ではないので、実際にどのようなことが起きるのかは分かりませんが、金曜日の一日だけでアクティビジョン株が5%以上下落しています。

アクティビジョン株を持つか、売るか

過去の記事で、方針はバイアンドホールドと述べましたが、政治が絡んでくると一瞬迷います。

仮にテンセントが保有株式を売却する必要がある場合、市場で売買されている発行株式7億6000万株の5%に相当する約3800万株がどうなるかは、今の時点では分かりません。

また、ゲームのフランチャイズも止まった場合、スマートフォンでのゲーム配信について事業の進め方を変える必要がありそうです。

8月10日以降の株価は注視が必要で、狼狽売りが大きく発生する場合は、一旦手放すことも視野に入れておこうかと思っています。