FAANG、GAFA、GAFAMと様々な呼称はありますが、所謂、米国のビッグテックと言った会社に投資をしようと思うと一株購入にも多額の資金を要するケースがあります。
例えば、アマゾンの現在の株価は3,000ドルを超え、Google(Alphabet)も3,000ドル近い値をつけています。
比較的手を出しやすい銘柄を探すと、マイクロソフトは300ドル前後、一株150ドル弱のAppleといったものになります。
こういった銘柄も、かつては低廉な株価であった時期もあり、企業の成長と共に株価が上昇、ひいては時価増額の大きな巨大企業となっています。
ゴールドマンサックスが、2021年9月に運用を開始した新たなETF、Goldman Sachs Future Tech Leaders Equity ETF (GTEK)は、次世代のビッグテック候補となる企業をポートフォリオに組み込んだものとなります。
何か聞き覚えのあるフレーズ。デジャブかな?

米国では、ARK InvestのETFが競合として引き合いに出され、報じられています。
ただ、ゴールドマンサックスのポートフォリオマネージャーであるSung Cho氏は、ARK Investの名を挙げながらも、投資対象企業の半分近くが米国外であること、時価総額が1,000億ドル未満であることに言及し、すみ分けを示唆しています。
さて、この新しいETFはどのようなものか、見てみましょう。
国内の主要なネット証券などでは買えない
私が現在取引している楽天証券ではGoldman Sachs Future Tech Leaders Equity ETF (GTEK) を購入することは出来ません。SBI証券やマネックス証券でも取り扱いはありませんでした。
なお、サクソバンク証券は「2,700銘柄のETFやETN」と謳っているので、扱っていそうな雰囲気であるものの、取扱いを確認できていません。一方で、CFD取引のIG証券では扱っていそうな雰囲気です。
過去の別記事でUFOを扱いました。その時に触れたことと同じように、現在買えない銘柄であったとしても、どのような考えで、どんな銘柄を組み込んでいるかを見ることは悪くないと思います。
VOICEROID解説動画
GTEKについてもVOICEROIDによる解説動画を作成しました。ぜひご覧ください。
Goldman Sachs Future Tech Leaders Equity ETF (GTEK) の基礎情報
本ETFの基礎情報を確認します。
設定日 | 2021年9月14日 |
運用会社 | Goldman Sachs Asset Management |
経費率 | 0.75% |
総資産 | 7,937万ドル |
経費率は、この種のアクティブ運用のETFと同水準となっています。
組入銘柄
組入銘柄
2021年9月21日時点の組入銘柄数は、以下の66です。いくつかピックアップして株価を見ると、まだ高額にはなっていない水準です。

銘柄眺めて目に付いたものには、第2四半期決算の後に一気に株価を上げた人事基幹システムを提供しているWorkday (WDAY)、顧客サービスのプラットフォーム提供のTwilio (TWLO)、認証管理システムを提供しているOkta (OKTA)などがありました。
米国外に目を向けると、MercadoLibre (MELI) が3%近く組み入れられています。同社は南米におけるEコマースでは有名で、2020年には米国人の投資系YouTuberは頻繁に触れていました。
そして、日本企業も以下の四銘柄があります。
- HOYA(7741):2.07%
- 日本電産(6594):1.82%
- 東京エレクトロン(8035):1.75%
- TDK(6762):1.02%
前述の通り、GTEKは組入銘柄の時価総額は1,000億ドル未満としています。この、1,000億ドルを日本円に換算すると、10兆円を超えます。日本で時価総額が10兆円を超える企業は以下の六社です。(参考:みんかぶ、2021年9月24日時点)
- トヨタ(7203):32,956,274百万円
- キーエンス(6861):17,267,745百万円
- ソニーグループ(6758):16,393,764百万円
- NTT(9432):12,650,258百万円
- リクルート(6098):12,100,674百万円
- ソフトバンクグループ(9984):11,418,014百万円
時価総額に制限を設けているため、小さめの会社に投資と勝手に思っていたものの、大企業が含まれます。そのため、HOYAやTDKなどが組み入れられている理由も合点がいきます。
一方で、ビックテックがいかに巨大なのか。Appleの時価総額はおよそ2.4兆ドル。日本円では250兆円で、比較にならない大きさです。
セクター構成
セクター構成を見ると、三分の二がIT関連となっており、通信と続いています。組入比率は小さいものの、不動産もあるのが興味深いです。

国別構成
半分近くが米国外とのことですが、現状は米国で六割を占めています。また、上述の日本企業四社により。国別構成では日本の組入が二番目となっています。

目論見書に書かれていること
本ETFの特徴を探るべく、目論見書を見てみます。
Invest Objective
目論見書の最初に必ず記載されている目的は、「The Goldman Sachs Future Tech Leaders Equity ETF (the “Fund”) seeks long-term growth of capital.」となっており、長期的な成長を狙っています。
Principal Investment Strategies
非常に長く説明がなされているので、いくつか抜粋します。
- 資産の80%以上を国内外の株式に投資
- 時価総額が1,000億ドル未満の企業を対象
- 銘柄選定に際しては現在の市場を打破、より効率化を図る技術を持っている企業を対象
- 選定に際して、ESGの要素も加味することがある
その他
銘柄入替の時期や考え方を探したのですが、該当する者は見当たりませんでした。インデックスファンドと異なりますね。
また、分配金が発生した場合は、ETFを保有している投資家に支払いが行われ、再投資をすることはありません。
株価
最後に現在の株価を確認します。
設定後すぐに、株価下落に遭遇してしまいましたが、9月21日時点では戻ってきています。市場全体がどのようになるかは不透明であるため、何とも言えません。

当初設定が2021年9月14日と日が浅いこともあり、情報は多くありませんが、GTEKを見て参りました。ARKのETFとすみ分けを行う方針とのことで、これがどう影響するのか。
ARKのETFも本ETFも購入は出来ませんが、興味深いです。