米国では数多のETFが運用されています。日本でも海外株式への投資が身近になったと言っても、すべての銘柄へ投資することは出来ません。
情報収集をしている時に気になる銘柄を見つけたとしても、取引を行っている楽天証券での取扱いが無く、がっかりすることもあり、そんなETFを指を咥えて眺めてみたいと思います。
VOICEROID解説
DIVOの解説動画を作成していますので、ぜひご覧ください。
DIVOとは
正式名称は、Amplify CWP Enhanced Dividend Income ETFと言い、Amplify Investmentsが運用しているETFです。
Amplifyが提供しているETFで、楽天証券での取り扱いがあるものは、Amplify High Income ETF (YYY) のみです。この高経費率のYYYも面白いのですが、今回はDIVOに話を戻します。
下記にAmplifyが伝えている「Objective and Strategy」を引用しつつ、このETFの特徴を見ていくと、DIVOはアクティブ運用であること。また、増配がされている大企業(Large Cap)の銘柄をカバードコール戦略でも運用していることが分かります。
なんとなく、「JEPIに似ているかも」という印象です。
DIVO is an actively managed ETF of high-quality large-cap companies with a history of dividend growth, along with a tactical covered call strategy on individual stocks. DIVO is strategically designed to offer high levels of total return on a risk-adjusted basis.
Amplify ETFs
基本情報
まずは、基本情報を見てみましょう。
2016年が当初設定。総資産が13億ドルあり、バンガードのメジャーなETFほどではないものの、そこそこの資産額と言えます。
DIVO | |
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正式名称 | Amplify CWP Enhanced Dividend Income ETF |
運用会社 | Amplify Investments |
設定日 | 2016年12月14日 |
総資産 | 13億2,599万ドル |
銘柄数 | 29 |
経費率 | 0.55% |
銘柄選択
アクティブ運用という事ですが、どのように銘柄を選定しているかを見てみると、DIVOのサイトにチャートがありました。
ここには、上述の「Objective and Strategy」と同様で、過去に増配を続けている大企業銘柄を十セクターから選定。選定の際は20~25銘柄程度になる様、収益、キャッシュフロー、ROEなどを見ていると書かれています。
これ以上の詳細は目論見書も探ってみたものの、あまり細かいことは記載されておらず、DIVO独自の基準で運用されている様子です。
組入銘柄
基本情報で銘柄は29あると記載していますが、厳密な内訳は、
- 現物:23
- カバードコール:6
となっています。また現金も一割近くあります。
銘柄は、配当銘柄としてよく聞くものが組み入れられていて、アクティブ運用と言っても「大企業」「増配」、そして財務的に問題が無いとなると、同じような顔ぶれになると思われます。
カバードコールは全ての銘柄が常に存在する訳ではないことも、ここで確認できます。
セクター構成
セクター構成を見た時の第一印象は、セクター数こそ異なるものの、ダウ平均の並びに似ているというものでした。そして、IT、金融、ヘルスケアが上位に来るというのも、配当ETFで見かける構成とも言えそうです。
株価推移
DIVOの2022年4月29日終値は35.88ドルでした。
このDIVOの株価推移を、JEPIと比較しながら確認します。比較の起点はJEPIの当初設定から最初のデータが取れる2020年5月18日となります。
JEPIの2022年4月29日終値は58.58ドルですが、同期間での成長度合いはDIVOに軍配が上がっています。ただ、JEPIはカバードコールだけではなくELNを活用しているため、単純に比較するのは公平ではないかもしれません。
配当(分配)金
DIVOの配当(分配)利回りは、2022年3月31日時点で以下の通りとなります。
- Distribution Rate(配当金、プレミアムによる分配):4.83%
- 30-Day SEC Yield:1.40%
カバードコール戦略を用いているETFは、分配の原資が株式そのものの配当金とプレミアムから構成されます。上記では、Distribution Rateは両者を含み、30-Day SEC Yieldは純粋な配当金となります。
DIVOの利回りはカバードコール戦略を採用しているといっても、例えば、QYLDやXYLDはプレミアムを含め、10%近い利回りということもあり、特別に高いという訳ではないことが言えます。
最後にDIVOの配当履歴を見ます。
設定からしばらくの間は、四半期ごとの支払いでしたが、2018年8月の支払いから月次へ変更となっています。
毎月の支払配当の平均は0.1367ドルなので、年間では約1.60ドルが受け取れます。
DIVOを推すアメリカ人もいるが、日本ではJEPIでも悪くないかも
YouTubeを見ていると、DIVOを推すアメリカ人もいて、日本で気軽に買えないことが悔しく感じたこともあります。
しかし、詳しくDIVOの情報を見てみると、現在はJEPIへの投資ができるため、それで代用しても悪くないかもと思い始めてきました。
もしかしたら、DJIAでもよいかもしれません。
最後に、本記事に挙げた銘柄への投資は、ご自身で判断して行ってください。